寝坊の主 ページ11
「ご主人様、起きてくださいご主人様。」
あなたはリリィに叩き起こされました。
「お寝坊ですよ、ご主人様。」
寝坊、という言葉で意識がはっきりともどったあなた。
あなたは飛び起きます。
「うわ、寝坊！？ 何時！？」
「７時半でございます。」
「……寝坊、なの？」
「……館の主たるもの、毎日早朝起床を心がけていただきたいのです。早寝早起き、ですよ。」
昨晩早寝ができなかったあなたには、リリィの言葉が刺さります。
「フリージアも寝坊でしたので、朝食の時間にはぴったりだと思われます。まったく……。
あ、いえ、失礼しました。では素早く支度をして食堂へ向かいましょう。」
昨日の夕食のときの様子や、少年メイドが言っていた「リーダー」という呼び名から、リリィはこの館のメイドをまとめる役割をしているのでしょう。
見た目は一番若い(というより幼い)のに、なんならあなたよりも何個か年下に見えるのに、人をまとめるのはすごいな、とあなたは感心しました。
「わ……わわわ……！！」
美味しそうなフレンチトーストを前に、あなたは目を輝かせました。
昨日、あなたはフリージアと朝食を何にするか約束しました。
宝石のように輝くフレンチトーストを前に固まるあなた。
「冷めないうちに、どうぞ召し上がってください」
「い、いただきます！」
ナイフとフォークで切り分け、口に運びます。
じんわりと広がる優しい味に、あなたは思わず涙しそうになりました。
「とても、美味しい……」
「お、お気に召されたようで……何よりだ、何よりです。」
あなたの反応が嬉しかったのか、フリージアは上ずった声でそう言います。
「これから毎日、朝昼晩……フレンチトーストでお願いします……」
「ご主人さまがそうおっしゃるのなら……喜んで！」
「駄目よ、栄養バランスを考えなきゃ！」
シノが間に入って、とんでもない食事習慣になりそうだったあなたを止めました。
続く
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てい(プロフ) - えある。さん» 自分でも、敬語忘れちゃうのいいなぁと思いながら書いてました。神作…！？凄い嬉しいです…！ (2023年4月2日 22時) (
レス) id: 715f75cf8f (このIDを非表示/違反報告)
えある。 - カーテシー、、、想像するとすっごいきれい、、、あと、、、作った甲斐がある、、、ます かわよ。 神作ありがとうございますっ! (2023年4月2日 22時) (レス) @page6 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
てい(プロフ) - ぺぽんさん» コメントありがとうございます…！そう言っていただけてとても嬉しいです。 (2023年3月21日 14時) (レス) id: 715f75cf8f (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - 凄く惹き込まれるお話で面白いですね、続きが気になります😳 (2023年3月21日 14時) (レス) @page3 id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
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