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ついついポロッと零してしまった弱音に、
平野君が黙り込んでしまう。
…ああ、まずい、困らせた。
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そう思って撤回しようとした時、
不意に頭の上に、ﾎﾟﾝ、と彼の手のひらが乗った。
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｢………え｣
平野｢………あ、いや、違うよ？
流星いない間に口説こうとかそういうことじゃなくて、｣
｢分かってるよ。笑｣
平野｢…心底不本意そうだったけど、
一応よろしくされたわけだし。
流星がいない間は
あいつに代わってAちゃんのこと守ります。｣
｢…ふふ、心強いです。｣
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彼と話をしていたら、自然と心が軽くなる。
天然でふわふわしているけど
凄く面倒見が良くて周りをよく見ている人。
そんな彼だから、きっと、
流星も仲良くなりたいって思ったんだろうな。
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打ち合わせが終わると、
その後はラジオの収録と雑誌のインタビュー。
家に帰ったのは22時過ぎだった。
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流星から電話が来るのは
だいたい24時ちょっと前くらい。
だからその前にお風呂に入って、
髪の毛乾かして、スキンケアをして、
溜まっていた洗濯物を片付けて…。
明日のスケジュールのチェックと、
着ていく服の準備。
…あ、あと台本ももう一度確認しとかなきゃ。
.
なんてことをバタバタとこなしていたら、
あっという間に24時になっていて。
.
｢……あれ、来ないな。｣
.
いつもの時間になっても電話が来ない。
試しに私からかけてみたけど出なかった。
…うん、もう少し待ってみよう。
.
そう思って台本に手を伸ばした。
彼から電話が来たらすぐに気がつくように、
スマホを手に持ったまま。
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年7月12日 23時
