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Side R
…………ああ、最悪だ。
仕事で色々あって、
メンタル的にちょっと参ってて、
それでもAの前ではカッコイイ自分でいたくて、
いつも通りを演じていたつもりだけど、
帰ってきた瞬間に、見抜かれた。
それが情けなくて、自分に腹が立って、
心配してくれているAに嫌な言い方をしてしまった。
“…Aがいたら集中できない”
そう言った瞬間、
ほんの一瞬だけど、Aは泣きそうな顔をした。
自分がそうさせたのだと分かって、
めちゃくちゃ後悔した時にはもう遅くて。
…多分、今部屋で一人で泣いてる。
仕事で上手くいかないことを彼女にあたるなんて最低だ。
自分の見栄のせいでAまで傷つけて、
ほんと何やってんだろ…、俺。
自分が誰かを不幸にするだけの存在に思えてくる。
こんな自分、いない方がマシなんじゃないか。
.
.
“………い…、……せい……っ”
流星｢………ぇ…、｣
｢…りゅうせっ…〜……ｯ…｣
.
ﾊｯ、と我に帰ると、そこには大粒の涙を流すAがいた。
どうやら、
全然寝室に来ないことを心配して様子を見に来たけど、
どれだけ呼びかけても反応を示さない俺に、
おかしくなったのではないかと不安になったらしい。
Aの手はまだﾌﾙﾌﾙと震えていて、
自分がどれだけ長い間、
やばい世界に入り込んでいたのかを痛感する。
.
流星｢ごめん、怖がらせて…、本当ごめん。
もう大丈夫だから、ごめんな…？｣
.
震えているAの手をｷﾞｭｯと握ってやると、
俺の顔を見つめる彼女の顔がクシャっと歪んだ。
.
｢…なんで謝るの…〜っ…｣
***
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年7月12日 23時
