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***
｢…じゃあなんで聞いたの？｣
流星｢辛いなら辛いって言って欲しい。
Aはなんでも大丈夫って答えるから…、
病院行ったって聞いて心臓止まりそうになった。｣
.
｢……辛いって言ったら、何か変わる？｣
流星｢…は？｣
｢……大丈夫じゃないって、辛い、って言ったら、
帰ってきてくれるの？｣
流星｢…A？｣
｢そうじゃないなら…、言ったって意味無い。
…余計辛くなるだけだもん。
…それなら嘘ついて、我慢して、
それで流星が安心してくれるなら、そっちの方がマシ。｣
流星｢…………なんだよそれ、俺がバカみたいじゃん。｣
.
泣いてるのバレたくなくて唇を噛む。
.
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流星｢…紫耀には言えて俺には言えないんだ？｣
｢……〜…ｯ…平野くんは側にいてくれるもん…
なんにも気づいてくれなかったくせに……っ…
…流星なんて大っ嫌い…！｣
.
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つい勢いで言ってしまった言葉が、
言っちゃいけないものだったと気づくのは、
口に出してからすぐのことだった。
.
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流星｢………………………あ、そ。
じゃあ紫耀と付き合えば？｣
｢…っ…………ぁ…、…待っ…りゅ…ｯ…｣
流星｢…もう知らね。｣
.
ﾌﾟﾂっと切られた電話。
無機質な機械音だけが耳に響く。
.
.
“…もう知らね”
切られる寸前の、
冷たく呆れられた声が、鼓膜から離れない。
…あんな声、聞いたことなかった。
.
｢………………は…っ……ぁ、はぁ……あ…っ、｣
…………どうやって…、息って吸うんだっけ。
.
………あ、そうだ、薬…。
…薬、飲もう。
…飲んで、眠れば、…何かが変わってるかもしれない。
.
…………あれ……、
……この…薬、…何錠飲めばいいんだっけ。
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年7月12日 23時
