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“顔色が悪すぎます”
と佐倉さんに言われて、
無理やり病院に連れていかれてしまった。
結果として
平野くんとの打ち合わせをはじめ、
午後からの仕事も全てキャンセルすることに。
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病院で最近全然眠れないことを話せば、
睡眠薬を出された。
1日1錠、寝る前に服薬。
強い薬だから用法用量はしっかりと守るように、
とのことだった。
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病院が終われば今日はもう家に帰るだけ。
自宅のソファーでぐったりとしていたら、
不意にスマホがﾋﾟﾛﾝと鳴った。
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画面を見れば、相手は平野くんからで、
“病院行ったって聞いた！大丈夫！？”
というメッセージと共に、
焦っているクマのスタンプが。
打ち合わせ欠席したから心配して連絡くれたんだろうな。
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“薬貰いに行っただけだよ、大丈夫。
迷惑かけてごめんね。”
と返せば、すぐに既読がついた。
“迷惑なんかじゃないよ、
元気になってまた会おうね！”
優しくて温かな、彼らしいメッセージが心に染みる。
一緒にプロジェクトをするのが、
平野くんで良かったなぁ…。
ありがとう、いつも感謝してます。
と素直に返して、一度電源を切った。
.
いつものように流星のパーカーを胸に抱いて、
布地に顔を埋める。
…あとちょっとで、帰ってくる。
思いっきり抱きしめられて、
大好きな声で、“A” って呼んで貰えたら、
それだけで、なんだって上手くいく気がした。
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年7月12日 23時
