【wrwrd】時は止まる【軍パロ】 (ページ7)

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時よ　７ページ7

私に拒否権がないことはわかっていた。

いつのまにやら訓練場で私は模擬ナイフを構えていた。

相手は緑色のパーカーを着た彼。

見るからに筋肉量が多く、運動量は見物に来ている幹部の中で一番。

なかなか手ごわい相手と考えるのがよさそうだ。

「では、よーい、スタート！」

ピンク色を思わせる背の低めの彼が掛け声をかけた。

とりあえずは相手の動きを観察か。

…それは相手も同じなようだ。

「かかってこんと始まらんぞ」

「貴方に言われても説得力がない」

まあ見つめあっていても戦闘は始まらない。

先手を取らせてもらおう。

ザッ

緑の彼に走り寄り、まずは仕掛けもない一撃をかます。

サッ

…避けられることは想定内。

そして

ヒュン

その隙を狙ってくるのも想定内。

相手から目を離さなければ初動で大体の動きは読める。

カンッ

木と木がぶつかり合う。

しかし流石男性、力が強い。

このまま押し切るつもりだろうが、これは簡単な回避の仕方がある。

手持ちのほうを男の体に近づけて作用点をずらす。

ズルッ

そうすれば思惑通りバランスを崩して形勢逆転、と行きたいところだが。

まあ、体勢を立て直すのが早いこと。

さすが軍人、というべきか。

「…へぇ、なかなかやるやん、時の魔法使い」

「その名前を使うことで私の腹を立てようとしているのだったら効かないから無駄な体力を割かないほうが賢明」

緑の彼はスピードをつけて走ってくる。

斬撃の方向、順手持ちだから下からはあり得ない。

上からか、横からか。

右利きだから攻撃として適しているのは左からの斬撃。

だけどそれもブラフの可能性がある。

とりあえず見切ればなんとかなる。

シュッ

右！

変則的なナイフの軌道を警戒しつつ回避。

変則的になりそうだったが私の動きを見て中断。

まあ、妥当な判断。

そろそろ疲れてきたし、早めに終わらせてもらうか。