□ハグの日 ページ17
***
今日たまたまメイクさんと話していて知ったのだが、
8月9日は、語呂合わせでハグの日らしい。
.
これはなんとしても流星にハグをして頂きたい。
でも…、
いっつも何も考えずにくっついたりしてるくせに、
いざハグの日だと言われると
途端に恥ずかしくなってしまうのはなぜなのか。
.
.
「…ねえ!」
流星「ん?」
「今日なんの日か知ってる…?」
流星「誰かの誕生日とか?」
「…んー、そうじゃなくて、」
流星「あ、祝日だっけ。」
「あ、いやそうでもなくて…、」
.
きょとん、とした顔でそう答える流星。
やはりこの男の脳内にハグの日などという
世俗的なものは存在しないのか…。
そう思いながらもまだ諦めきれない私は、
少しずつヒントを出してみることにした。
.
「ほら、…8と9の、語呂合わせで!」
流星「8と9?」
「そうそう、ちょっと声に出して考えてみて。」
流星「…はち、きゅう、
や…、く、や…、あ、野球?」
「………」
.
確かに、確かに野球もそうだけど…!
誘導するのも段々恥ずかしくなってきた。
もし正解出してもその後なんて言えばいいか分かんないし…。
.
「…そう。…野球。」
流星「え、」
.
回りくどいことをしてしまったばっかりに、
今更ハグをねだるのが恥ずかしくなって、
野球の日ってことで引き下がる。
.
…さて、
そろそろ寝る準備しますか…
と思って立ち上がろうとしたその時…、
***
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作者名:紙兎 | 作成日時:2020年8月2日 17時