. ページ11
***
｢…あ、おかえり〜｣
流星｢…。｣
｢え、ちょ、なになに重い！｣
.
台所で洗い物を片付けていると、流星が帰ってきた。
手を動かしながらおかえり〜って言ったら、
後ろからぎゅっと抱きついて
私の肩に顎をｽﾞﾝ、と乗せてきた。
.
流星｢…今日、真宙に会ったって聞いたけど？｣
｢あ、うん！｣
流星｢なんで俺の事待っててくれなかったの。｣
｢…邪魔しちゃ悪いかな〜って思って。｣
流星｢邪魔なんて言ったことないでしょ？｣
.
拗ねた声が耳に触れてくすぐったい。
やっぱちょっと不機嫌だ、って分かって、
不謹慎だけど嬉しくなる。
.
.
｢…だって、………衣装だったでしょ？｣
流星｢ん？｣
｢…和装…は…、ちょっと…
…冷静に見れない、かもしれない…から…｣
流星｢…なんで？｣
｢……｣
流星｢…なんで俺が和装だと冷静でいられないの？｣
.
.
あ、まずい。
今、自分で凄い墓穴掘ったかも。
拗ねた声が、途端に楽しそうな声に変わる。
まるで、いいオモチャを見つけた時の少年みたいな声。
.
｢……ちょっと熱い！離れて…！｣
流星｢言ってくれたら離れる。｣
｢…っ…/｣
流星｢言わなきゃずっとこのままだよ？｣
.
.
＿＿＿Side R
｢…っ…こ…、いい…から｣
流星｢…ん？｣
｢………かっ…こいい…から…！！｣
.
もう限界だ、と言うように
ｶﾞﾊﾞｯと俺の腕を振りほどいて逃げるA。
その顔は真っ赤で、必死すぎる抵抗に笑ってしまう。
.
確かに雑誌とかで着物や浴衣や袴を着ていた時も、
やけに反応が良かったような…？
またこの子の弱点が1つ増えました。
.
流星｢俺次のドラマずっと着物だよ？｣
｢……見れないかも…/｣
流星｢かっこよ過ぎて？｣
｢…〜っ…//｣
.
あーもうなんだこいつ、可愛すぎだろ。
絶対今度は椿の衣装のまま会いに行ってやろう、
と心に誓った。
***
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2110人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紙兎
| 作成日時：2020年8月2日 17時
