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優しく袖を拭いてくれる手。
ポンポンとこすらないように丁寧に。
ゆっくりとその店員の子の顔を見ると、怒っているわけでもなく、かと言って哀れんだ目もしていなかった。
ただ、その色素の薄い瞳は私の袖をただ見つめていた。
『あ、の』
「ねぇ、俺にタオルは?」
アイスコーヒーを突然かけられた衝撃で固まっていた、たった今元カレになった男が急に話し出して、びくりとする。
まだ言うか、この男。
私がもう一言でケリをつけようと口を開こうとした時
だいち「今お客様を接客中です」
イコール
お前はお客様じゃない。
ってこと??
その一言に何かいい返そうにも、この大惨事で大注目を受けてるのを思い出したのか、コーヒーまみれのまま、店を出て行った。
いつものカフェのざわつきが徐々に戻ってくる。
だいち「手、」
『え?』
だいち「震えてる」
え?なにそれ?
そう思って、自分の手を見ると
震えていた。
ああ、自分でキレたのに、これか。
その子はその色素の薄い瞳でじっと見つめると、チョット、マッテテクダサイ、と言ってカフェのマスターに一言二言話すと奥に消えて、また戻ってきた時には、制服であろうサロンと白いワイシャツを脱いで、上下真っ黒の服になってきた。
だいち「行きましょ」
『え?』
パッと手を取ってはやく!と引っ張られる
どういうこと??
そのままその子に連れられて店の外に出た。
どこに向かっているやらわからないが、道中自己紹介をしあった。だいちくんと言うらしい。
ここ俺のおすすめです、と入ったのは軽いご飯も食べられるカフェ。
なんか、不思議。さっき彼氏と別れたばっかりのに、今度はさっき知り合ったばかりの子とご飯食べてる。
『だいちくん、なんでさっき助けてくれたの?』
だいち「え?助けた?…あー。なんかムカついたんすよね」
『ムカついた?』
だいち「Aさんのこと、泣かそうとしてるじゃんこいつ!って、女の人公衆の面前でなかそうとしてるじゃん!って」
え???
だいち「んで、飲み物出すタイミングにもケチつけてくるから、いよいよ言ってやろうと思ったらさ〜笑 Aさん啖呵きるから、もう圧倒されちゃいました笑」
ケラケラと明るく笑いながら、さっきのことを話される。
本当に恥ずかしい…
『私、こんな見た目だしさ、もともと合わなかったんだよね。ワンピース着てよ、とか言われてたし』
短い髪、ダボっとしたパーカー、黒スキニー。
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なぁ(プロフ) - あやさん» あやさんありがとうございます!作品見ていただいてるようで…まさかのだいちくん!その考えはなかった!だいちくんのイメージがぜんぶ、きみが。で固まってしまっていました…だいちくんで何か書きたいと思います!!ナイスアイデア!! (2019年4月15日 18時) (レス) id: 07945c6d2e (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - ゆめりんさん» ゆめりんさんありがとうございます!くうき。気に入って頂けて嬉しいのですが、長編の予定はないです…申し訳ございません。くうき。に出てきた2人はべつの作品、ピアスホールにでてきます! (2018年12月28日 3時) (レス) id: 07945c6d2e (このIDを非表示/違反報告)
ゆめりん(プロフ) - くうき。の長編集を作って欲しいです!(まぁなぜかと言うと、んー好きだったから?)すいませんね突然…でも作って欲しいです。頑張ってください。 (2018年12月28日 2時) (レス) id: 95d47d5091 (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - ふらふらさん» 読んでいただいてありがとうございます!わたしもお気に入りの二人です!頑張ります! (2018年12月14日 17時) (レス) id: 07945c6d2e (このIDを非表示/違反報告)
ふらふら(プロフ) - なぁさん» くうき。読ませて頂きました!凄く引き込まれるお話でした!これからも楽しみにしてます、頑張って下さい! (2018年12月14日 14時) (レス) id: 2921a0b107 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なぁ | 作成日時:2018年11月16日 1時