ぜんぶ、ぼくの。【はじめしゃちょーの畑】

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心地よい車の揺れで気づいたら寝ていた。

サイドブレーキを引く音で起きる。


『わ…ごめん、寝ちゃってた』

たな「いや、それはいいんだけど、シンプルに家わかんなくて俺の家なんだけど」

『いや、そうなるよね笑 車で寝るから、明日そのまま送ってほしい…本当にごめんね』

たな「だめ、無理。来て」

そう言ってまた私のカバン持って出てってしまう。

またかー
とりあえず追いかけると、おそらくたなっちの家の前。

たな「女の子一人、車で寝かせるなんて絶対無理」

『いや、女の子とかいう歳でもないし…』

たな「女の子だよ。ていうか、俺が嫌だ。心配。…入って」

いつもと違う真剣な目で言われると、入らざるを得ない。

玄関を扉を閉めて、振り返ると、突然たなっちに抱きしめられた。

突然のことで固まってしまう。

ぎゅーって音がしそうなくらい、強く強く抱き締められる。

何が何やらわからない。

『たなっち…？』

心臓がうるさい。たなっちのなのか、私のなのか。

たな「こんな可愛い子、一人で居させるなんて、怖くてできない…」

『誰のこと…』

たな「Aに決まってんじゃん」

『え…いや…』

たな「A照れてる？かわいい」

知らない。
知らない。
こんな甘い人、知らない。

どんどん自分の体温が上がるのがわかる。


たな「はじめさんのこと好きなの？」

しゅんとした声で唐突に聞かれる。

なんでそんなこと聞くんだろう。

『友達として好きっちゃ好きだけど…』

たな「そっか…そうなんだ…よかった…」

『なに…？』

たな「Aが、はじめさんのこと好きだったらどうしよって思って…だって、俺といてもすぐはじめさんのところ行くから…」

『そりゃ、呼ばれたら行くけど…』

たな「行かないでって思っちゃう。離れないでって。

…Aのこと好きだから、独り占めしたい」

その言葉に一気に心臓の音が早くなる。

たな「だから、俺今めっちゃ幸せなの。Aが目の前にいて、俺しかいないから。
…ごめん、重いと思うけど、ずっと好きだったから今日だけ許して…」

弱々しくそう告げて来た彼を、私は抱き締め返した。

『一緒に…いるよ？』

そういうと一層強く抱き締められる。

たな「どこにも行かないで…俺のこと見て…」




今夜は満月。
暗い部屋に差し込む月明かりだけが、彼らの行く末を知っているのだった。


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cottonさんいかがでしたでしょうか…
少々メンヘラチック((
拙い文章申し訳ありません。

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