ぜんぶ、きみが。【畑】

じじつ。16 ページ38

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それからというもの、ミカヅキ。メンバーとバンドの練習以外にも一緒にいることが多くなった。

私が学校が終わると、みんなで集まってご飯を食べたり

たまにアキラの家で朝まで映画を見たり

ふと気づく

これが、仲間、なのかな。




さらに変わったことがある。



『ただいま！』


アキラ「おまえの家じゃねぇんだからさ…」



私がアキラの家に寄ることが多くなったこと。


あの日以来、アキラの家に度々訪れる。


だって、寂しい。を遠回しにいわれたら、気になる。


なにより、私がアキラともっと一緒に居たかった。



アキラ「おまえ、ばあちゃんにここに来ることなんて言ってんだ？」


『んー？バンド仲間の家に泊まるね、って』


アキラ「いや、間違ってねぇけどさ…一応俺男だぞ？」

『アキラは何にもしないでしょ？』


アキラ「抱きしめるのは何にもしないに入るんだな？」


そう言って、アキラは私を抱きしめた。


『なんか、お兄ちゃんに抱きしめられてるーって感じ』


なんだよそれ、といってパッと私を離してタバコに火をつける。


ふふっと笑っていると



アキラ「なんかおまえ、笑うようになったな」


『え？』


アキラ「初めてあった時のおまえ、なんていうか……怖かったぞ」


『そうなの？？』

私には昔の私と今の私の違いがわからなかった。


アキラ「まぁ、そのほうがいいだろ」


よくわからないけど、アキラがいいって言うなら、いいか


アキラ「あ、そうだ、お前に朗報だ」


『なに？』



アキラ「CD出す」



ちょうどそれは10回目のライブを控えている、まだ暑くない7月のこと。


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