【MASHLE】無邪気な深淵の６番目長女３ (ページ10)

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ヴァルキス筆頭と長女５ページ10

「母親とはこの世で唯一無償の愛をもたらしてくれる存在！唯一利害関係がない人間そして、自分の時間と愛と労力を惜しみなく割き与えてくれるのだ…
そんな存在への感情を好きという言葉だけで表すなどあり得ない……！！」

シャルルはいきなり立ち上がり、自身の母への愛について説い始めた。
お昼前といえどもここはたくさんの生徒が利用する食堂、更には神覚者もいるということで、一気に注目が集まる。

ドミナはそんなシャルルの言葉を右から左へ流した。そもそもドミナには母親などいないも同然なのだが、親に深く愛されていると分かるシャルルの言動には今まで苦手意識があった。

母親がいないも同然なのは妹のAも同じということで、ドミナはこのシャルルの力説にAはどう答えるのか気になったのだが

「…めっっちゃ分かります！！！」

「！！？」

想像の斜め上を超えて真上を行くAの返答に、ドミナは驚きを隠せなかった。
自分が知らなかっただけで、Aの母親は生きていたのだろうか。

「なんだと…！？分かるのか！？」

「はい！！やっぱり母親ってめっちゃくちゃ最高のお方ですよね！！
誰と一緒にいるよりも安心するし…自分が自覚するより先に体調が悪いことを察して心配してくれるのまじで神…！」

「…っああ！！分かる…分かるぞミスA！」

意気投合してしまっている二人の気迫に気圧されつつも、ドミナはAに疑問を投げかけた。

「…A、Aの母親って生きてるの？」

「え？あー、多分いないよ」

また想像の真上を行く返答に、ドミナは目を丸くする。淡々と答えたAが、このときだけ自分の知ってるAではないように感じた。