【MASHLE】無邪気な深淵の６番目長女３ (ページ9)

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ヴァルキス筆頭と長女４ページ9

「漆黒りんごってなーに？」

「名前通り黒いりんごだよ、食べたい？」

「食べたーい！」

購買から離れて、私達は食堂にやってきていた。お昼が近づいてきてはいるが、まだ生徒の数は少ない。
私の元気な返事に笑顔を溢しながら、ドミナお兄ちゃんは漆黒りんごのアップルパイを注文してくれた。どんな味なのだろうか。

「お昼はどうする？もう食べるかい？」

「うーん…まだいいかな」

注文を終えて、私達はシャルルさんの座る席の前に座った。なんでもせっかく神覚者が居るなら話をしてみたいらしい。12時にはママのお昼を食べに帰るらしいけど。

「んっふふ」

「え、どうしたんですか」

何やら写真を取り出してニヤニヤしていたシャルルさんを不思議に思って訊いてみる。
でも、正直なんとなく想像ついてしまった。

「…失礼、ママが恋しくてな」

まあそうだろうな。
予想通りだったのがちょっと面白くて私は笑ってしまったが、ふと見たドミナお兄ちゃんの顔は呆れていた。

「そんなにお母さんが好きなんですね」

「あ、Aそれは…」

「…好き？」

私の発言を止めようとしたお兄ちゃんが一瞬疑問に思ったが、その理由はすぐ明らかになる。

「私はママが好きなのではない…
愛しているのだ…！！」

おーなんか、スイッチ入れてしまったみたい。