ヴァルキス筆頭と長女3 ページ8
「おお〜…ここが購買か」
なんだか人気商品の品が不穏である。
折れた骨も治る強制回復薬草セット、復讐に完全版呪い大全、威嚇するトロールよだれジェル…待ってこれ学校で売っちゃだめなやつ入ってない?
「ヴァルキス怖い…」
「あはは、イーストンでは何が人気なんだい?」
「ええ…?なんだろ…」
少なくとも前述したようなものは無いはずだ。
私は購買を利用したことはないけど、確かレモンちゃんがたくさんキューピットグミを買ってたな…。
他には自動筆記レターセットと…そういえばマッシュがプロテインを買っていたような…。
「騒がしいと思えば、そういうことか」
背後から声が聞こえて後ろを振り返ると、そこには神覚者選抜最終試験で見たことがある人が居た。名前は…なんだっけ…?
「シャルル…」
あ、そうだそんな名前だ。
「ヴァルキス筆頭と神覚者様が一緒に居るなら、この騒ぎも納得だ」
シャルルさんは私をちらりと見やってから言った。周りに注意を払ってみると、確かに私達のことを話している人達が多い。
私も有名人か…、目立つの嫌だなあ。
「こんにちは」
「!こんにちは、神覚者様」
ドミナお兄ちゃんの後ろから体を出してシャルルさんに挨拶すると、少し驚きつつも挨拶を返してくれた。神覚者様って言われるの、ちょっとむず痒い。
…なんか、お兄ちゃんの手を握る力が強くなった気がする。
「珍しいね、君が休日に学校に居るなんて」
「今日は課外があってな、ついでに回復薬を買いに…いつ決闘をするかも分からないからな」
真面目そうなこの人でも決闘するんだ。
そう思いながらシャルルさんを見つめていると、急に拳を握りしめ神妙な顔つきになった。
「ママを心配させない為にも、いつでも準備は万全でなければ…!」
あーなんか、ランスくんと同じ匂いしてきた。
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作者名:そらいろ | 作成日時:2024年3月13日 19時