【MASHLE】無邪気な深淵の６番目長女３ (ページ39)

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ソフィナさんの誕生日ページ39

アドラ寮2年生時

「ソフィナさん、お誕生日おめでとうございます！」

4月2日
まだ学校の入学式も過ぎていないこの春の日。その日は神覚者、ソフィナ・ブリビアの誕生日であった。

「まあ、Aさんありがとうございます
こちら、中身を見てもよろしいですか？」

「はい、もちろん！」

Aは神覚者となってから、よく彼女にお世話になっていた。よって誕生日をめいっぱいお祝いすることは、Aにとって当たり前のことなのである。

まあ去年は神覚者成りたてで、ソフィナの誕生日など全く知らなかったというのもあり、今年は気合を入れてプレゼントを選んだ。

「これは、栞と…アイマスク？」

「はい、栞はブルーベリーの押し花を使ってて…アイマスクは、読書のときの目の疲れを癒やしてほしいなと…」

ブルーベリーの花は白く、スズランという花の形とよく似ている。筒型の丸いフォルムは色と相まってとても可愛らしい。

「ブルーベリーの花言葉って、実りのある人生、知性、信頼、思いやりとあって、
凄くソフィナさんにぴったりだなって思って！」

「ふふ、ありがとうございます
実は私の髪飾り、ブルーベリーの花だったりするのですよ」

「えっ！？そうなんですか！？なんかフォルム似てるな〜って思ってたんです！」

Aの驚きように、ソフィナは花笑んだ。この子は同僚の中でも特に素直で愛らしい。他のものが個性的すぎるだけかもしれないが、とにかく面倒をみたくなってしまうような、そんな魅力がある。

「ええ、ふふ…
栞もアイマスクも、ありがたく使わせていただきますね」

「やったー！ありがとうございます！」

貰ったのはこちらの方なのに、そんなにプレゼントを使ってもらえるのが嬉しいのか、Aは弾けるような笑顔でお礼を言った。
そんな様子が少しおかしくて、ソフィナは思わずクスリと笑う。

キョトンとしたAの頭に、ソフィナは優しく手を添え、ガラス細工を愛でるように撫でた。