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ドットくんの誕生日5 ページ37

「う…ん……」



目を開くと、どこかの天井が見えた。
なんとも無機質で、病院のような雰囲気の部屋であることが分かる。
背中の感触が柔らかい、どうやらベッドに寝ているらしい。



確かAちゃんが誕生日を知っててくれてて、天使のような笑顔を見たことまで覚えている。
ガバっと起き上がり、ブンブン頭を左右に振り回して辺りを見るが、Aの姿は無かった。



少し悲しくなりつつベッドから立ち上がると、近くの棚に自分の名前が書かれている紙が見えた。
なんだろうと思い手に取ると、どうやら手紙らしい。



「こっ…この字は…!」



それはAの筆跡であった。クラスが違うのでAの書く字は基本見れないはずなのだが、何故彼はこの字はAの書いたものだと分かるのだろうか。
一度勉強会等で見ていたとしても、一目見て分かる程度まで覚えているのは少し恐ろしい。



ドットは早速折られている手紙を開き、読み始めた。



【ドットくん、改めてお誕生日おめでとう。
多分ドットくんが起きたときまだ仕事してるから会えないのだけど、終わったら絶対プレゼント渡しに行くので、起きたらはやく帰ってね。】



ドットは感涙した。Aの愛らしい声だけでなく文字からも誕生日のお祝いをされるとは、この上ない幸せである。
そして急いで帰った。愛する人の言うことは絶対なのだ。



そうしてドットはAが来るまでそわそわそわそわしながら一日を過ごした。

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作者名:そらいろ | 作成日時:2024年3月13日 19時

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