ドットくんの誕生日４ ページ36
「失礼しまーす…」
「んっ？なんだ君か」
「ぐすっ…ぇ？ドットくん…？」
ドットが暖炉の間にやってくると、すぐにライオとAの姿が視界に入ってきた。
どうやら泣いているAをライオが慰めている最中だったらしい。
「ライオさんAちゃんこんにちは！」
「こんにちは、良い挨拶だな！なんの用で来た？」
「実はAちゃんに用があって！」
「えっ、私…？」
自分の名前を出され驚いたAは、少し考え込んでから控えめに走ってドットのもとにやってきた。
うへぇめちゃめちゃ可愛いな。と、思わず思う。もちろんドットが。
「ドットくん、お誕生日おめでとう」
「え゛っ！！？Aちゃん知ってたの！？」
「え？初めてお茶会したとき話してくれたじゃん」
何言ってるの？と花のように笑うAに、ドットの脳は焼かれた。
だんだんと目が虚ろに染まり、いつの間にか気を失ってしまう。
しかし、目を開き棒立ちのままだったので、Aもライオもすぐには気づかず、話し続けた。
「へぇ、誕生日だったのか
おめでとう！自己肯定感とこのオレ様の男前な様しかやれないが、受け取ってくれ！」
「あはは！…ごめんねドットくん
早めに仕事を終わらせて会いに行こうと思ってたんだけど…、手紙を書いたほうが良かったかな」
シーン
「ん？ドットくん？」
「どうした？」
シーン
あまりに静か過ぎるので、ライオはドットに近づいて表情をよく見た。
「…気を失っているな」
「ええっ！？たっ、立ったまま…目も開いて…？」
二人はすぐにドットを魔法局備え付けの医療室へ運んだのだった。
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作者名：そらいろ | 作成日時：2024年3月13日 19時
