ドットくんの誕生日２ ページ34
(Aちゃんってどこにいるんだ…？)
愛するAちゃんに誕生日をお祝いされたいという一心で、ドットは魔法局にやってきていた。
ここに来るのは結構久しぶりだ、そういえばオーターさんもここで働いてるんだよな。
ドットは元々魔法局内に入ったことがあったり、イーストン生だったりということで案外スムーズに魔法局内に入ることができた。
時間があればオーターさんとも話をしたいなと思いつつ、ドットは魔法局内を歩く。
そういえば神覚者にはそれぞれ役職が存在するけど、Aちゃんはなんの仕事をしているのだろう。
きっと可愛いAちゃんにぴったりな仕事をしているんだろうなぁ。
そんなことを考えながら、ドットは曲がり角を曲がった。そのとき
「急いでいても廊下は走るな、曲がり角で誰かと衝突したらどうする
規律はきちんと守れ、あと人と話をしているときは相手の目を見ろ」
「ごっ、ごめんなさい…」
(オーターさんと…Aちゃん！)
お目当ての二人に同時に遭遇できるとは。ドットは思わず歓喜したが、二人の会話を聞いてどうやら説教中であることを察した。
「お前は神覚者成り立てだからと周りは甘く指導してくれるのかもしれんが、私はそんな非合理なことはしない。
もっと神覚者としての自覚を持て」
「…っは、い…」
「…こんなことで泣くな」
「ごめ、なさぃ…」
え？泣いてるの？
ドットは壁から顔を出しながら困惑した。
泣くほどのことを言われていただろうか。もしかしてAちゃんって結構泣き虫？でも泣いてるところなんて見たこと無いしな…。
でも泣いてるAちゃんもめちゃくちゃかーわいいんだろうなぁ…。
ぐふふと気持ち悪い声を発していると、オーターがAから離れて局員食堂の方へ向かっていくのが見えた。
もうお昼の時間は後半に差し掛かっているが、これからお昼休憩なのだろうな。
今のAに話しかけに行くのも気が引けるので、ドットはオーターの向かった方へ歩いていった。
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作者名：そらいろ | 作成日時：2024年3月13日 19時
