【MASHLE】無邪気な深淵の６番目長女３ (ページ28)

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ローズクォーツ兄弟と長女２ページ28

神覚者、太陽の神杖A・バーンデッド。レヴィのもとにやってきた少女の名前である。
世界を救った英雄マッシュ・バーンデッドの双子の姉であり、イノセント・ゼロの実の娘。そしてここヴァルキス魔学校トップ、ドミナ・ブローライブの妹。

大層な肩書だらけの少女から受け取った手紙は、レヴィを悩ませるのに十分なものであった。

「ちゃんとお返事書いてくださいね」

レヴィは先程Aに言われた言葉を思い出し、頭を抱えた。
兄が体調を崩してからほぼ疎遠と言っていいほどの関係だったというのに、いきなりその兄から手紙が届き、しかもそれに返事をしろと？

兄の期待にも応えることのできなかった弟からの手紙など…

レヴィはそう思い、いやしかしと考えを改め直した。
兄は真に強く優しい人だ。いつも兄に負けて父から罰を受けていた自分を想い、わざと自分に負けたような打算のない人だ。
きっとこんな自分からの手紙も、喜んで受け取ってくれるだろう。

とはいえそんな兄からは、今まで手紙など来なかったはずなのだが…。

確かあいつ、A・バーンデッドも、兄のような人であるはずだった。
きまぐれに参加したパーティでドミナに詰め寄られていたが、ドミナに向けた言葉の節々から、気遣いが感じられた。

他の奴らからもたくさん話しかけられており、あいつが周りの人間から好かれるような人であるのは明確だ。
きっとあいつが、オレ達が双子の兄弟で仲が良くないことを知り、手紙を書くことを促したんじゃないか？

余計なことをとため息をついてから、レヴィは手紙をじっと見つめた。

「………」

返事を書くかは置いておこう。まずは手紙を読んで…それからどうするか考えよう。
レヴィはそう決心して、手紙の封を開けた。

綺麗に押された封蝋が、粉々になってパラパラと机の上に落ちる。
そんな様子と兄を重ねて、レヴィは胸を痛めた。