【MASHLE】無邪気な深淵の６番目長女３ (ページ26)

今日:1 hit、昨日:35 hit、合計:26,909 hit

マッシュと長女４ページ26

「今日もシュークリームは美味しいですな」

「そうだねぇ…」

のんびりとした時間が過ぎていく。
これが平和、これが小さな幸せかぁ。
もぐもぐシュークリームを食べながら、私はふとマッシュに視線を向けた。

顔にアザがない、綺麗な顔だ。
この世界では彼はいらない存在、いてはならない存在らしいが、それは何故だろうか。

図書館で読んだ本には確かこう書いてあった。
この世において魔法とは神に与えられた存在であり、その魔法を持たないものは神に嫌われたみたいな…存在を否定されてるみたいな…所謂劣等種みたいな…

まあ、私は全くそうは思わないし、何より…

「あ、今日のメニューやってないや」

「わ、そうなの？じゃあいってらっしゃい」

「うん、いってきます」

マッシュはそう言って、いつものトレーニング場へ向かっていった。
そう、彼は7歳であるにも関わらず、ベンチプレスしちゃってる系男子。

前に私のエンチャンテイトである程度身体強化してマッシュがやってる重量挙げをしてみたけれど、めっちゃくちゃ重くてビビったビビった。

正直そんじょそこらの魔法には余裕で勝てる。3本線の私が言うんだから絶対勝てる。
しかし、そんなことは正直関係ない。

それはあの子がこの世にいていい理由ではないし、あの子がこの世にいちゃだめな理由なんてそもそもない。

この世界を、私が変えなくては。

せっかく3本線としてこの世に生まれたのだ。命の恩人とも言える彼がもっと自由にこの世界を謳歌できるよう、尽力しようではないか。

この世界には神覚者とかいうすげえ称号があるらしい。エリート校に入学し、神覚者に選ばれれば晴れてこの世界の頂点…とは言い過ぎだけど、偉い人になれる。

私がなってやろうじゃないか。その神覚者に。

その日私は、この世界で生きる理由を見つけた。