マッシュと長女2 ページ24
「自分の名前書けた?」
「うん、書けた」
一通り文字を教えてから、私はマッシュに自分の名前を書かせてみた。かなり拙いけれど、ちゃんとマッシュ・バーンデッドって書いてある。
「すごいね〜すぐに書けた」
「えっへん」
私がそう褒めると、マッシュは得意げに胸を張った。
私は確か保育園の年長から文字を書いていたけど…その時の字そっくり。
「じゃあ自分の名前以外も書けるようになろう」
「うん、……なんて書こう」
うーんと少し首を捻ってから、マッシュはノートに何かを書き始めた。
私はマッシュの右隣に座っており、マッシュは右利きなので、右腕が邪魔で何を書いているかよく見えない。
さらにマッシュは集中しているのか前屈みになっているので、ほんとに全く見えない。
「なんて書いてるの?」
「えーと…」
私がそう訊くと、マッシュは少しまごまごとしながら答えてくれた。
「シュークリームを書こうと思ったんだけど…、どうやって書けばいいかな」
実にマッシュらしいことを書こうとしていたようである。確かに椅子から少し立ち上がってマッシュの書いた文字を見てみたら、シュークリームの"シ"が書かれていた。
「あ〜…シュークリームはね、こう書くんだよ」
私はマッシュからペンを受け取って、シュークリームを書き始めた。確かに文字習いたての子は、シュークリームと書くのは難しいだろう。
「Aの字、僕のよりすごくきれいだ」
「そう?まあ私はもう文字たくさん書いてきてるしね〜」
「僕と同い年なのに?」
「うん」
凄いなぁ〜とマッシュは私に感心して、私の書いた字を見ながらまた文字を書き始めた。
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作者名:そらいろ | 作成日時:2024年3月13日 19時