【MASHLE】無邪気な深淵の６番目長女３ (ページ14)

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無邪気な深淵と長女２ページ14

「は…？」

Aは何が起こったのか分からず混乱した。ファーミンの魔力の変化を感じて振り返った瞬間、右側から急に倒れ込んでしまったのである。

右足に違和感を感じて、恐る恐る自身の右足を見るが、Aは右足を見ることはできなかった。

右足は足の付根から、切り取られていたからである。

「いたい……いたいいたい痛い痛い゛!!!」

そのことを実感した瞬間、猛烈な痛みがAを襲った。切断面が異様に熱く、そこから全身へ痛みが充満していくようだった。

だらだらと切断面から流れる血が、辺りに広がっていく。
痛い痛いと泣き叫んでも、ぼやけた視界に映る兄は自身を助けてはくれなかった。

「やっぱり良い反応するなあ」

ファーミンはAに対して酷く落ち着いた様子で、自身が切り取った右足へ近寄る。うずくまるようにして痛みに耐えるAの横に転がっていた足を持ち上げると、何を思ったのか大きく口を開けて噛みついた。

「いたい゛…いたい゛……！！」

「まず…」

味はお気に召さなかったようで、ファーミンは噛み跡がついた足を後ろにポイと放り投げた。
そのまま屈んで、痛みに唸るAの顔を覗き込む。

「どう？面白いだろ？僕の考えたいたずら」

「う゛ぅ゛ー…う゛ぅ…」

ファーミンの声は痛みに耐えるのに必死なAには聞こえていなかったようで、答えが口にだされることはなかった。
それに苛ついてしまったのか、ファーミンは立ち上がり、切断されたAの足の付根を踏みつけた。

「う゛あ゛あぁああぁぁああ゛!!!」

「ッハハハハハハ！！」

予想以上のAの反応は、ファーミンの苛つきを鎮めさせ、満足感を与えた。
強く踏めば踏むほど大きく叫ぶAを見るのが楽しくて楽しくて、ファーミンはどんどん強くAを踏みつけた。
その時、

ブォン!!

「！！」

ちょうどAに当たらないスレスレで、ファーミンに鉾が突き刺さった。