検索窓
今日:66 hit、昨日:35 hit、合計:26,974 hit

無邪気な深淵と長女 ※全話色々注意 ページ13

誘拐時

静寂の中、一人の人間の足音が鳴り響くマゴル城廊下。
虚ろな目をしながら歩く少女、Aは突然立ち止まり後ろを振り向いた。



「…さっきから何?ファーミン」



………




薄暗い廊下には誰もいないはずであった。しかし彼女はしっかりとある一点を見つめながら名前を呼んで、何者かに訊いたのだ。



「…なんだ、バレてたんだ」



すると突如として、ピエロのような格好をした男が現れた。無表情で剣を持っているその男、ファーミンは何処かつまらなそうである。



「なんで分かった」

「さあ、兄妹の勘?」

「嘘つけ」

「何その剣、物騒」

「お前にいたずらしてやろうと思って」



ファーミンの返答を聞いた瞬間、Aは酷く顔を顰めしばらく無言のまま見つめ合った。心底気持ち悪い、嫌いといったような感情を丸出ししていたが、ファーミンは全く気にしていないようである。



「せっかく本物の剣を試してみようと思ったのに」



剣を見つめながら変わらぬ表情で残念がるファーミンを無視して、Aはまた歩き出した。
足音が聞こえてAが歩き始めたと分かったファーミンも、また歩き出す。



「どこに行くんだ?」



「デリザお兄様のとこ、あそこが一番安全」



トーンを変えぬまま淡々と話すAに気が障ったのか、ファーミンの纏うオーラが一段変わった。その変化を感じだったのか、Aも足取りを止める。



「…なにっ…!?」



ボトン



次の瞬間、Aはバランスを崩し尻もちをついていた。

無邪気な深淵と長女2→←おまけ シャルルさんと長女



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
114人がお気に入り
設定タグ:マッシュル , 愛され , MASHLE
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:そらいろ | 作成日時:2024年3月13日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。