96(10/28) ページ46
おばあちゃんのおうちがこっちになくなったら本来こっちに用事はないんだな、って思って寂しくなっていたけれど、増田さんは普通に会いに来てくれた。うちのママのごはんを食べていってくれることも多くなってきた。
それだけじゃなく、小山さんのとこで餃子食べてたり、幼稚園に球根届けにきてくれたり、図書館で外国のファンション誌みたいなの眺めてたり、こっちで普通に暮らしてる人みたいだった。
ファッション誌を眺める横顔が、前髪で隠れてる。田舎の図書館で完全に浮いてる増田さんにそーっと近づいたら、顔を上げてくれる。
「……ん」
「……おつかれさまです」
「……終わった？帰る？」
「うん、あの、うちで晩ごはん一緒にどうですか、ってうちの母が」
「やった、いいの？」
「うん、今日もたぶん鍋だけど」
「鍋すき」
うちの母が、なんて可愛くない誘い方をしたのに、増田さんはにっこり笑ってついてきた。
カウンターにいたはずのシゲに声掛けてから帰ろうとしたら、いなかったので、そのまま２人で図書館を出る。
増田さんは向かう途中で別れた。
お互いに車移動。
ここらへんでは、日が暮れたら車がないとどこにも行かれない。
先に家に着いて、部屋着に着替えてリビングに行ったとこで増田さんがピンポンしてくれた。
パパがものすごく嬉しそうに迎えて、招き入れてる。
増田さんはにこにこしながら、これちょっとですけど、って、パパにビールの缶を渡してる。
いつの間に買ったんだろう。
こういうところを丁寧にちゃんとするところ、きっと可愛がられるだろうなぁ。
ママが作ったお鍋をみんなで食べた。
なんか家族みたいに。
増田さんは、車だから、ってノンアルコールビール飲んでたけど、パパとママが、え？飲めばいいよ！だって泊まってけばいいじゃん！みたいに盛り上がって、娘は動揺する。
ちょっと両親よ何言ってるの！
年頃の娘の彼氏への囲い込みの圧がちょっと！
増田さんは、ぐふふ、って顔で笑ってる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 487人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NEWS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやぽにょ - 更新ありがとうございますm(_ _)mいつも幸せなります！！夢で増田さんに会いたいです、。。 (2018年10月29日 21時) (
レス) id: 1cc16aeb13 (このIDを非表示/違反報告)
どみ - 最高に好みのお話です！そして読みやすいです！ありがとうございます！ (2018年8月16日 22時) (レス) id: a1e09fad41 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 追い付きました。はぁ、キュンキュンします。私も生きていられますでしょうか？こちらこそ、ステキなお話ありがとうございます。続きを楽しみにしています。 (2018年7月11日 17時) (レス) id: d177f1dbfb (このIDを非表示/違反報告)
そらまめ(プロフ) - 毎回読むたびに全力で☆を押したくなる…押して「既に投票済みです」と拒否られてしまうのを繰り返してます笑ほんとうにステキな作品ですね。 (2018年7月9日 8時) (レス) id: 5b21419bc4 (このIDを非表示/違反報告)
あやか - 素敵です(´；Д；`)！！！だきしめられたい...まっすー(´；Д；`) (2018年7月9日 6時) (レス) id: 1cc16aeb13 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：◯じぇにー◯
| 作成日時：2018年2月18日 21時
