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「それって遊ばれてんじゃないの？その後輩」
シゲがそう言って、お皿の上に残ってた最後の一個の餃子をお箸でつまんだ。
小山さんのお店で、仕事帰りにシゲと夕ご飯。いつも通りの風景。
お座敷席に座ってる私のお膝には眠たいゆうくんがゴロゴロしてて、お店はいい感じにガヤガヤ繁盛してる。
職場の後輩にこんな相談されたんだけど、なんて嘘をついて、シゲにやんわりこの間の増田さんとのことを話した。関係ないとこはうまく脚色して。
一般男子の意見を聞いてみたかったから。
返ってきた答えに、はあ、ってため息が出る。だよねぇ。そんな気はしてたんだけど。
「……だよねぇ」
「惚れた弱味っつうの？１回そうなったらもう言いなりじゃない？」
「……だよねぇ……！」
「それでもいいから近くにいるって覚悟決めるか、玉砕覚悟で当たるかどっちかだろうな」
「……そっか……」
「俺なら静かにその立場に甘んじるけど。得られる確証もなさそうだし」
「……うん」
「得ようとすれば失うことだってあるしね。得ようとせず得られるタイミングまで、お前、じゃなくて、そいつが気長に待てるかどうかじゃない？」
「……師匠」
「……ハイ？ん？アタシ？」
「ありがとうございました……」
「……いつお前の師匠になったのか知らないけど、どういたしまして？」
シゲはそう言って、ぱくんと餃子を口に入れてもぐもぐした。
実習が始まった増田さんからは、たまに連絡がきた。
例えば、今日の給食がカレーだった、とか。
担任の先生のギャグが寒い、とか。
そのたびに当たり障りなく返して、返事が来なくなって、の繰り返し。
あれ、ここからどうしよう。
どうにも進展する気配がない。
得ようとすれば失うかもしれない、っていうのは確かにそうで、何かあっても揺るがないほど増田さんと私が仲いいかっていうとそうではない。
吹けば飛ぶくらい。
１回２回ちゅーしたくらいだもん。
この先を知りたいけど、この先は果たしてあるのかどうか。
シゲが、箸の進まない私を見て、黙って私のお皿から勝手にいろいろ食べていく。
ぼーっと見てたら、それだけでなんかおなかいっぱい。胸もいっぱい。
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あやぽにょ - 更新ありがとうございますm(_ _)mいつも幸せなります！！夢で増田さんに会いたいです、。。 (2018年10月29日 21時) (
レス) id: 1cc16aeb13 (このIDを非表示/違反報告)
どみ - 最高に好みのお話です！そして読みやすいです！ありがとうございます！ (2018年8月16日 22時) (レス) id: a1e09fad41 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 追い付きました。はぁ、キュンキュンします。私も生きていられますでしょうか？こちらこそ、ステキなお話ありがとうございます。続きを楽しみにしています。 (2018年7月11日 17時) (レス) id: d177f1dbfb (このIDを非表示/違反報告)
そらまめ(プロフ) - 毎回読むたびに全力で☆を押したくなる…押して「既に投票済みです」と拒否られてしまうのを繰り返してます笑ほんとうにステキな作品ですね。 (2018年7月9日 8時) (レス) id: 5b21419bc4 (このIDを非表示/違反報告)
あやか - 素敵です(´；Д；`)！！！だきしめられたい...まっすー(´；Д；`) (2018年7月9日 6時) (レス) id: 1cc16aeb13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：◯じぇにー◯
| 作成日時：2018年2月18日 21時
