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そーっとリビングに戻ってみる。
ドアの隙間から覗く。
増田さんはテレビの前でスマホ触ってる。
「……あの」
「え、速くない?ちゃんと洗ったの?」
「まだ入ってない」
「……なにしてんの?」
「大変言いにくいのですが」
「なんでしょうか?」
「……なんか部屋着みたいなやつお借りできませんか」
「……やだ」
「…………」
「貸さないけどね」
「…………」
「うそうそ、出しとくから早く入ってきな」
増田さんがまた嬉しそうに笑った。
もう!
なんでこんなに意地悪なんだ!
やだもう!かっこいい!
増田さんちでシャワー浴びるっていう非現実を味わって、軽くお掃除して出たら、洗面所に綺麗に畳まれたタオルとTシャツとスウェットが置いてあった。
ドキドキしながらそーっと手に取ったら、増田さんのにおいがしてきゅんきゅんする。
その場でちょっとじたばた。
うう。増田さんに押し倒されてぎゅうーって圧縮された時のにおいを思い出して悶絶。
どうしよう。あがったらこのあとどうなるの。増田さんにどんな顔して会えばいいんだ!このすっぴんを見られるとかそういうことも忘れてたし!
着替えて、ドライヤーがあったから借りて、換気扇のスイッチを入れてから洗面所を出る。
ぺたぺた廊下を歩いてリビングのドアを開けたら、増田さんはいなかった。
寝ちゃったかな、と思いながら、そーっとお隣の部屋の引き戸を開けたら、小さなその部屋のベッドに増田さんがごろんとしてて、ベッドの下には清潔そうなお布団が一組敷いてあった。
エアコンの効いた涼しいお部屋。
増田さんが、薄いブランケットにくるまったまま、こっちに寝返りをうった。
「……お風呂返してくれた?」
「起こしちゃってごめんなさい。お掃除、軽くしかしてないんです。すみません」
「ん?いいよ?」
「おふとん……すみません……あっ、お洋服もお借りしました」
「うん」
「…………」
「……ん?」
「……いえ、おやすみなさい……」
「うんおやすみ」
そう言って増田さんは、あっという間にすやすや寝息をたてて。
そのまま私に指一本触れずに、並んで眠った。
…………あれっ!!!!
私のドキドキそわそわはなんだったんだ!!!!
私一度だけうとうとして、朝方に目が覚めたあとはもう眠っていない!
無駄な期待してうっかりドキドキしちゃった私のおばかさん。
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あやぽにょ - 更新ありがとうございますm(_ _)mいつも幸せなります!!夢で増田さんに会いたいです、。。 (2018年10月29日 21時) (レス) id: 1cc16aeb13 (このIDを非表示/違反報告)
どみ - 最高に好みのお話です!そして読みやすいです!ありがとうございます! (2018年8月16日 22時) (レス) id: a1e09fad41 (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 追い付きました。はぁ、キュンキュンします。私も生きていられますでしょうか?こちらこそ、ステキなお話ありがとうございます。続きを楽しみにしています。 (2018年7月11日 17時) (レス) id: d177f1dbfb (このIDを非表示/違反報告)
そらまめ(プロフ) - 毎回読むたびに全力で☆を押したくなる…押して「既に投票済みです」と拒否られてしまうのを繰り返してます笑ほんとうにステキな作品ですね。 (2018年7月9日 8時) (レス) id: 5b21419bc4 (このIDを非表示/違反報告)
あやか - 素敵です(´;Д;`)!!!だきしめられたい...まっすー(´;Д;`) (2018年7月9日 6時) (レス) id: 1cc16aeb13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:◯じぇにー◯ | 作成日時:2018年2月18日 21時