36(完結) ページ36
しゅんとなって、しおらしく謝ってたら、祐くんが真剣な顔して、私の両手を握る。
「違う、Aちゃんが悪いんじゃないわ。由紀子が来た時にAちゃんが自分はもういらないんだって判断させるような付き合いをしてた俺が悪かった」
「…いや…」
「ごめん、ちゃんと言ってなかったのが悪かった。聞いて」
「…はい」
「Aちゃん。すき。俺とつきあって」
まっすぐな眼差しに、真剣な表情に、ドキドキして震える。
「…………はい」
やっとの思いで声を出したら、祐くんがすっごく可愛く笑って、ぎゅうってしてくれる。
いつものにおい。
だいすきな。
もう今日はこのまま、ぎゅうしたまま寝ちゃうことにして、一緒におふとんにもぐる。
祐くんが、そういえば由紀子がAちゃんのこと家政婦さんとか言ってて、ふざけんなって思ったんだけど、何かやなこと言われなかった？って聞いてくる。
「いや、私が言ったんだよ、家政婦ですって」
「は！？」
「ふふ、私ね、家政婦兼、抱き枕兼、傘のつもりでいたんだ。しかも結構優秀な」
ちょっと自慢げに言ったら、祐くんが息をぜんぶ吐き切る勢いでため息ついた！
「ごめんね……」
「いや、俺がごめん。だって、傘って……ていうか待って、傘貸したの俺じゃない？」
「そうだったね、そういえば。それが始まりだったね」
可笑しくて笑ったら、祐くんが優しい指で私の頬をなでた。
「今度は俺が傘になるね」
「私祐くんがいれば、傘いらないよ。もう、ずーっと晴れだよ」
「じゃあ俺太陽やるわ」
「そうだね、ありがとう。よろしくお願いします」
「まかせんしゃい」
冗談ぽく言い合って笑う。
顔を見合わせて、ふふふ、って笑って、キスをした。
きっと晴れじゃない日もあると思うんだ。
いろんな時があると思うんだ。
そうなった時は相合傘したり、一緒に濡れたりして、それでも隣を歩けたらいいなって思うんだ。
でもやっぱり、いざとなったら、きっと私は祐くんを守りたいって動くんだろうな、って思う。
できることなら、祐くんを悲しませたりするものは私がやっつけちゃいたい。
先頭切って走る姿を、負けず嫌いなハートを、その天使の歌声を、キラキラ輝く笑顔を、ずっとずっとそばで見ていたいから。
あなたの、傘になりたい。
可愛い寝息を聞きながら、思った。
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あやめ - 今まで色々読んだ中で1番好きなお話でした！続編が読みたいです。 (2019年5月21日 12時) (
レス) id: 9e6ffd26f9 (このIDを非表示/違反報告)
ミウ - やばい…ハルヒさん同じくぼろ泣きしてました…。 もし私がTV、映画関係者だったら ドラマか映画即作ってます…(泣) うわあああああ (2017年3月25日 15時) (レス) id: b65112862c (このIDを非表示/違反報告)
ハルヒ(プロフ) - ボロ泣きしてしまいました………（ ; ; ）どうしよう、こんなに泣いたの久しぶりです（笑）素敵な作品をありがとうございます！これからも応援しています♪ (2017年1月21日 0時) (レス) id: 313afc49c5 (このIDを非表示/違反報告)
音奈 きらり(プロフ) - 久しぶりに読み返しました。ほっこり幸せ〜♪ ２時半だ！寝なきゃ。おやすみなさい(笑) (2017年1月18日 2時) (レス) id: 3f7a93ce59 (このIDを非表示/違反報告)
音奈 きらり(プロフ) - 久しぶりに読み返しました。ほっこり幸せ〜♪ ２時半だ！寝なきゃ。おやすみなさい(笑) (2017年1月18日 2時) (レス) id: 3f7a93ce59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：◯じぇにー◯
| 作成日時：2016年10月11日 21時
