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帰り道、スマホが鳴ってた気がするけど、もう手に取れない。
とにかく、必死で足を前に進める。
また、元通りの暮らしを、するだけ。
痛くても過ぎる。大丈夫。
どうやって家に着いたのか、どうやってベッドまでたどり着いたのかわからないけど、ふと目が覚めたらちゃんと生きてて、外は明るくて、冬らしい白いお空。
おなかが鳴って、ちょっと笑う。
どんなにつらくても朝は来るし、おなかはすくんだな。
長い夢を見ていたみたい。
おはよう、私の現実。
うん。現実に戻っただけ。
カバンから無意識で携帯を取り出して、ホームボタン押して、通知を見て震える。
祐くんからのメッセージをちらっと見る。
「結婚式やめる」「別れる」「由紀子」
って文字が目に入ってきて、目をぎゅうっと閉じる。
もう他の文字は認識しないように、息を止めて、心を無にして、全部消す。
祐くんにかかわることは、もう全部。
消してしまおう。
ちゃんとその日も出勤して、普通に働ける私すごい。淡々と通常業務をこなしてたら、大して残業しなくても帰れた。
次の日も、その次の日も、仕事に燃える私。
大しておなかがすかないから、一応10秒チャージしたり、カロリーの友達を食べたり。
４日目あたりで、ついに本当におなかがすいて、久しぶりにあったかいものが食べたくなる。私の体はちゃんと生きようとしてるなぁ、ってしんみりする。
冷蔵庫から余ってたお野菜を取り出す。
ポトフにでもしようかな、ってにんじんの皮むこうとしたら、ピーラーがなかった。
ああ……祐くんとこだ……
って思った時にはもう涙が出てた。
こうやって一つずつ思い出して泣けるうちは、一人でじっとしていよう。
ピーラーはまた買えばいいじゃない。
そう思ったあと、ふとカバンの中の合鍵を思い出す。
ああでもこれだけ返さないと。
なんらかの方法で。
返すならついでにいろいろ持って帰ってくればいいのかな。
ってちょっと冷静に考える。
夜逃げの手順を考えてるみたい。
祐くんのマンションまで行ってみて、窓の明かりを見てみる。
今日はたぶんサッカーのはずだからいないと思うんだけど。
ああでも由紀子さんがいたら嫌だな。
あかりはついてない。
一応インターホンも押してみたけど、反応なし。
いま一瞬で行って、片付けてくればいいんだ。
一刻も早く終わらせたい。
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あやめ - 今まで色々読んだ中で1番好きなお話でした！続編が読みたいです。 (2019年5月21日 12時) (
レス) id: 9e6ffd26f9 (このIDを非表示/違反報告)
ミウ - やばい…ハルヒさん同じくぼろ泣きしてました…。 もし私がTV、映画関係者だったら ドラマか映画即作ってます…(泣) うわあああああ (2017年3月25日 15時) (レス) id: b65112862c (このIDを非表示/違反報告)
ハルヒ(プロフ) - ボロ泣きしてしまいました………（ ; ; ）どうしよう、こんなに泣いたの久しぶりです（笑）素敵な作品をありがとうございます！これからも応援しています♪ (2017年1月21日 0時) (レス) id: 313afc49c5 (このIDを非表示/違反報告)
音奈 きらり(プロフ) - 久しぶりに読み返しました。ほっこり幸せ〜♪ ２時半だ！寝なきゃ。おやすみなさい(笑) (2017年1月18日 2時) (レス) id: 3f7a93ce59 (このIDを非表示/違反報告)
音奈 きらり(プロフ) - 久しぶりに読み返しました。ほっこり幸せ〜♪ ２時半だ！寝なきゃ。おやすみなさい(笑) (2017年1月18日 2時) (レス) id: 3f7a93ce59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：◯じぇにー◯
| 作成日時：2016年10月11日 21時
