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何かあったらおしまいだと思って、ごはんの片付けしたあとはいつもサッサと帰るようにした。

少しでも長く一緒にいたかったから。
ご飯屋さんでもいいしマネージャーでもいい。
うっかり寝て、こじれて、飽きられて、ポイってされたらしぬ。





その日も、夜ごはん作ってあげる約束をしてた。リクエストはおでん。
薬味のからしとか柚子胡椒とか自家製のタレとか田楽味噌とか持ってきた!
あと下ごしらえしてきた大根と昆布。
あんなに可愛いルックスでいつも渋い和食食べたいとか言うから、もう胸キュン。



今日も、私が作ったごはんが、少しでも祐くんの身体と心を癒せるように、丁寧に丁寧に作ろう。



お部屋までの数々のセキュリティを突破するのもだんだん慣れてきた。
お部屋の玄関まで来て、チャイムを押す。




……出ない。


でも、さっきエントランスで一度開けてくれたんだから、いるよね?
もう一回押していいかな、あ、お風呂かな。
しばらく迷ってたら、かちゃん、てドアが開いた。



そーっと入ったら、祐くんが目を真っ赤にして立ってた。
え、って驚いてたら、足元に白い封筒。綺麗な切手と、祐くんのお名前が毛筆で書いてある。

そーっと拾って、祐くんを見上げる。
静かに微笑んでる。
綺麗なお顔。悲しそうな。



「結婚式の招待状届いたんだ」
「…従兄弟さん…?」
「そう」
「………」
「いや…わかってたんだけどね?いざ招待状届くとしんどいね?」



真っ赤な目。
ビー玉みたいな茶色の瞳が揺れてる。

雨に濡れた迷子の子犬みたいな顔。

そんなところで、土砂降りの雨が降ってるのに、わざわざ濡れてないでおうちに入ってきたらいいのに。


つらいなら、もうやめたらいいのに。



すん、と鼻をすすって祐くんが言う。

「……でも、出会えて感謝してる。辛いことがあるからこそ成長するし、全ての出来事が俺を形作ってるから。…それは俺ね、本当に思ってんの」


でもそう言いながら、肩が震えてるから。



思わずぎゅっと抱きしめる。
私の向こうに誰を見ててもいいや、もう。
今この人をあっためて慰めてあげられるなら、もうそれだけでいい。

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設定タグ:NEWS , 手越祐也   
作品ジャンル:恋愛
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あやめ - 今まで色々読んだ中で1番好きなお話でした!続編が読みたいです。 (2019年5月21日 12時) (レス) id: 9e6ffd26f9 (このIDを非表示/違反報告)
ミウ - やばい…ハルヒさん同じくぼろ泣きしてました…。 もし私がTV、映画関係者だったら ドラマか映画即作ってます…(泣) うわあああああ (2017年3月25日 15時) (レス) id: b65112862c (このIDを非表示/違反報告)
ハルヒ(プロフ) - ボロ泣きしてしまいました………( ; ; )どうしよう、こんなに泣いたの久しぶりです(笑)素敵な作品をありがとうございます!これからも応援しています♪ (2017年1月21日 0時) (レス) id: 313afc49c5 (このIDを非表示/違反報告)
音奈 きらり(プロフ) - 久しぶりに読み返しました。ほっこり幸せ〜♪ 2時半だ!寝なきゃ。おやすみなさい(笑) (2017年1月18日 2時) (レス) id: 3f7a93ce59 (このIDを非表示/違反報告)
音奈 きらり(プロフ) - 久しぶりに読み返しました。ほっこり幸せ〜♪ 2時半だ!寝なきゃ。おやすみなさい(笑) (2017年1月18日 2時) (レス) id: 3f7a93ce59 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:◯じぇにー◯ | 作成日時:2016年10月11日 21時

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