傘になりたい（11.11HBD！DearYT）

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２回も奇跡が起きたら、さすがにもう３回目はないだろう。と思ってたら、あんまり間を空けずに祐くんからの連絡がちょこちょこくるようになる。


だいたい当日のお誘い。
今なにしてる？って。
そして毎回ホイホイ行くわりにいつも逃げ帰ってくる私。

怖いのか、もったいぶりたいのか、祐くんを守りたいのか、もう自分でもよくわからない。





今日の待ち合わせは会員制の高そーなカラオケボックスだった。ふたりで。
なんか今日歌いたい気分なんだよね、つきあって、って言われて、ラルクとか熱唱された！NEWSもテゴマスもじゃんじゃん歌ってくれた。
生歌を独り占めで聴いて、明日こそしぬんだな、と泣きながら思った。(死ななかった)


Aちゃんも歌ってよ、って言われてすっごく困って、中学校の時の合唱曲入れてソプラノパートを披露したら爆笑された！


たくさん歌って、ついでにごはんも食べて少し飲んで、カラオケからの帰り道。
変装もしてないサングラスの金髪さんとテクテク歩く。


「あ〜〜笑った。歌った！」
「あ…んん！ケホ、ありがとうございました生歌を…ケホ」
「ん？大丈夫？」


祐くんが「ちょっと待ってて」ってスーッとコンビニに入っていって、袋を片手にサッサと戻ってくる。もう片方の手にはアイスコーヒー。


はいって渡されたのは、のど飴。
甘さ控えめのスースーするやつ。
あとお茶。


「のど飴なめときな？」
「…ありがとう…」


涙が出そうです。こんな幸せでいいのか？
包みをぱりぱり開けて、飴を口に入れる。
コロンて口の中で転がしたら、ミントがスースーした。


「一個ちょーだい」
ってニコニコしながら顔が近づいてきたから、慌てて包みを開けて、可愛いお口に飴をコロンと入れる。
にっこりしてくれる。

うう…その笑顔をこの至近距離で…
いつまで経っても慣れる気配がないよ。
息が止まる。




それ以来コンビニとかでこののど飴見ると、祐くん元気かなぁ、ニコニコ幸せでいてくれてるといいなぁって胸がきゅううってなった。



何をしてても祐くんが浮かぶ。

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