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……ひまだ。
バイト中だけどお客さんが全く来ない。大丈夫かこのカフェ。
手持ち無沙汰になると、あの日以来なぜか頭に浮かんでくるのは龍斗で。
「好きな子にしか優しくない」、って、そういう意味じゃないのは分かってるんだけど、
面と向かって言われるとなんかこう……
「うああ、」
涼「うお、なに？」
「ああ…いたんだ橋本くん…」
涼「ずっといるわ(笑)」
失礼な、って笑ってる。
バイト先唯一の同い年の橋本くんとは、わりと仲良い……はず。
思わず顔を突っ伏したら、橋本くんにトントン、って肩を叩かれた。
「なに……」
涼「恋煩いでしょ、話聞くよ」
「絶対面白がってるだけじゃん」
涼「んなことないって(笑)」
「ていうか恋煩いって…」
涼「あれ？ちがう？」
恋煩い？龍斗だよ？
私が好きなのはずっと先輩で、先輩には彼女がいて、
…先輩と彼女が喧嘩する度に話を聞いてる、彼女からしたら絶対に嫌な女。
「ちがう…と思う」
涼「なんだそれ」
「私ずっと好きな人いてね、彼女持ちなんだけど」
涼「彼女持ち？やめちゃえそんなの」
「そんな簡単に言わないでよー…」
涼「その人と何かあったの？」
「その人とは何にもない…」
涼「お」
お、じゃないよ。
先輩と何もない以上、これは恋煩いなんかじゃなくて。
…でも別に龍斗と何かあったわけじゃないし。
龍斗のなんでもない一言に、私が無意味に頭を占領されてるだけ。
「訳わかんない…」
涼「先輩以外の男のこと考えちゃうんだ？」
「男って言い方…」
涼「これは俺の考えなんだけど」
「…」
涼「元々好きな人がいるのに他の人のこと考えてるってことは、後から考えちゃってる人のことが好きなんだと思うわけよ」
「なんで？」
涼「なんでって…元々の人を好きだったら他の人なんて入る隙もないはずじゃん」
なるほどなあ、って納得しかけたけど
その理論でいくと私が龍斗のことを好きみたいになるな。
「龍斗は弟だもん…」
涼「お、弟のこと好きになっちゃったの…？」
「違う…幼馴染の弟分みたいな子…好きじゃないもん…」
涼「そう思ってる時点でさ…まあいいや、Aちゃんがそう言うならそうなんじゃない」
橋本くんは困った顔して笑ってるけど、好きとかそんなんじゃなくて、龍斗は、
私のぐちゃぐちゃな気持ちを表すみたいに、窓の外は雨が降ってた。
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なぴたん(プロフ) - キュンをありがとうございます。 (2020年10月25日 21時) (
レス) id: e52c01cdc8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきん☆(プロフ) - この作品めちゃくちゃ好きなやつです。続きが気になって、キュンキュンしちゃいます。楽しみにしています。 (2020年10月1日 19時) (レス) id: 1f3a1e88fd (このIDを非表示/違反報告)
雪の王子様 - とても面白いです！続きが気になってるので早く公開されないかな〜ってうずうずしてます！低評価する人はゆゆ様の文才に嫉妬してるんですよ！私はもちろん一番右を推させていただきました！これからも頑張ってください！作ちゃん、おめでとう！ですね！ (2020年9月30日 16時) (レス) id: aef40a82b9 (このIDを非表示/違反報告)
みなこ(プロフ) - ゆゆさんの小説、すごく好きなので朝から幸せです！ (2020年9月30日 8時) (レス) id: 4ba1728e1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆゆ
| 作成日時：2020年9月30日 4時
