其ノ拾弍 ページ12
,善逸side
いつものようにぼーっとしていると、買い物から帰ってきたみことちゃんに、袖を引かれた。
なんだろう…と思いつつ着いて行くと、縁側で止まり、こちらに何かを差し出してきた。
よく見るとそれはお饅頭で、もしかして俺が甘味好きなの知っててくれたのかな、と想像する。
『これ!!良かったら、同期の人達とでも食べてください…!』
受け取ると、結構な重量があった。いっぱい買ってきてくれたんだなあ。
この子給料どれくらいあるんだろう…。
「お饅頭!ありがとうみことちゃん。」
そう言って笑うと、心做しかみことちゃんの頬が赤くなった。
恥ずかしがるような、嬉しいような、そんな音がしている。
じゃあ、とみことちゃんも一緒に食べようと誘い、カナヲちゃんを誘うのを任せた。
俺はそのまま踵を返し、炭治郎達がいるであろう部屋へと向かう。
「おいお前らー。みことちゃんが饅頭買ってきてくれたぞ、食うなら俺の部屋こい。」
「アァ!?んだと!食いもんか!!」
「分かった!今行く!ほら、禰豆子も行くぞ。」
バタバタと移動する。
部屋につくと、まだみことちゃん達は到着していなかったようで誰もいなかった。
今どこら辺にいるんだろう、と饅頭を机に置いて耳を澄ます。
____________
『……………え!!?!?』
そんなみことちゃんの大声が聞こえた。
『か、カナヲ!!銅貨は!?もう投げないの??投げなくても決められるようになったの!!?』
カナヲちゃんといるんだな…。
「炭治郎、が…自分の心の声をよく聞く…って…人は、心が、原動力だって…。」
小さい声だったが、確かにそう聞こえた。
ハァア!?炭治郎なにしてんの!!!?!?!?
『た、炭治郎さんが!!?!?』
そうだよな、動揺するよな………え?
待って、待ってよ。
そんなに普通動揺する?
驚きすぎじゃん。
え………まさか炭治郎が好きとか…?
そうかもしれない。
だったら結構な辻褄が合う。
俺に饅頭を渡して、同期の人達とでも、と言うのは俺を通じて炭治郎と関わるため?
(善逸と2人きりになるため)
だからなんか饅頭渡されたすぐ後に隠しているような音がしたの!?
(御守りを渡し損ねただけ)
それで、炭治郎がカナヲちゃん口説いてるの聞いてこんなに動揺してるの…!?
(2人の恋路を応援したる!!と意気込んでいる)
やばいじゃん、俺。
炭治郎になんか、勝てっこないよ。
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みこと(プロフ) - 無名。さん» コメントありがとうございます!貴方様も体調にお気をつけて(*´ω`*) (2020年3月19日 0時) (レス) id: 60b865e0ab (このIDを非表示/違反報告)
無名。 - こういう小説すごい好きです!体調に気をつけて、更新頑張ってください! (2020年3月18日 19時) (レス) id: ed4b4ad4ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みこと | 作成日時:2020年3月14日 20時