其ノ拾壱 ページ11
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…コホン、今度こそ。
私は北北東へ走り出した。
『だぁあーッ!もう!かっこつかねぇ!!嘘だろ!?』
任務ではいいだろ、と口調を時々戻す。
いつも気を張ってるのは良くないから、自然とできるようになるまではそれでいいんじゃないですか?としのぶさんが言ってくれた。
「マッタク、オマエ、マダソノ方向音痴治ッテナイノカ!!」
『うるせぇ!馬鹿にすんなすずしろ!仕方ねぇだろわかんねぇんだから!!!』
山の中で人がいないのをいいことに、大声で鴉と会話を繰り広げる。
『いんだよ!あたしの中ではあっちが北北東だったの!!世界が私に合わせないのがいけないの!!』
謎理論展開。やめてそんなに熱い瞳で見つめないで♡
「ソンナコト言ッテルカラ想イ人ノヒトリヤフタリ手ニ入ラナインダヨ!」
的確すぎるツッコミ頂きました。
いや2人もいらねぇわ。
『うるっさいわね!!!余計なお世話だこのクソ鴉!!!唐揚げにすんぞ!?カラッと揚げるぞ!?!?』
頭の中で鴉って雑食だから不味いだろ、と自分にツッコむ。
「…イーコトオシエテヤロウトオモッタガヤメダ!!オマエニハ教エネエ!!」
『はぁ何それなんの情報!!?』
「オマエノ想イ人!ナンダッタカ、アガツマゼンイツ?ニツイテノ情報ダ!カァー!!」
なにそれ気になる。
『すみませんでしたすずしろ様明日の夕飯は焼肉に致しましょう』
手のひら返し。
「アイツハ花札トカ双六ガ好キラシイ!!チナミニ兄弟子ガイルラシイゾ!!!アイツノ師匠カラ聞イタ!」
すずしろも手のひら返し。
『はぁ!?すずしろ我妻くんの師匠と関わりあんの!?』
こっちの方が気になるわ。
「カァー!ナイ!!ナイ!!急ニ押シカケテ急ニ聞イタ!!」
ないのかよ!!!
馬鹿じゃねぇの!!?!?
『ウッソだろお前なにしてんの失礼すぎじゃない!!?!?』
「イイダロ!!ホラ、アソコダ!!煉獄杏寿郎!カァー!!」
と言いながらどっかへ行ったすずしろ。
いや良くねぇよ…と思って少し目を凝らすと、向こうの甘味処に煉獄さんがいた。
後ろで、ガサリと音がして、パッと振り返る。
だって鬼だったら危ないじゃんね。
でも、そこには何も、誰もいなかった。
…ただの、気のせい?
少し胸騒ぎがするが、これから合同任務。
遅れる訳には行かない。
私はその場を離れた。
まぁ、案外悪い予感は当たるもので。
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「アイツが、善逸を好いている…!?なんだそれ、派手にヤベェな…。」
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みこと(プロフ) - 無名。さん» コメントありがとうございます!貴方様も体調にお気をつけて(*´ω`*) (2020年3月19日 0時) (レス) id: 60b865e0ab (このIDを非表示/違反報告)
無名。 - こういう小説すごい好きです!体調に気をつけて、更新頑張ってください! (2020年3月18日 19時) (レス) id: ed4b4ad4ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みこと | 作成日時:2020年3月14日 20時