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次の日。
仕事を終えて家に着く手前、
玄関付近の塀に寄りかかる人影が見えて、足が止まった。
携帯をいじりながらキャップを深く被り、
持ち物と背格好と服装で、誰かなんてすぐに分かった。
どう顔を合わせればいいのか、
逸る気持ちと共に湧き上がる虚しさ。
顔を上げれば絡まる視線。
３年振りの再会は願わずとして突然訪れた。
「……A？」
「……紫耀、」
「久しぶり」
「うん、」
変わらないあの笑顔は今も健在で、
黒いキャップから覗く茶色がかった髪色は、
暗がりの街灯に照らされ、鮮明に見えた。
立ち止まった足が動かない。
こんなの、望んでなかった。
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作者名：詠夢
| 作成日時：2021年2月7日 7時
