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" 俺が受け止められねえんだよ "
何一つ、聞き返せなかった。
どうして？今更なんで？どうすればいい？
紫耀が分からない。
１日の半分が紫耀で埋まっていく毎日に恐怖さえ感じてた。
着信：慎太郎
〈 もしもし 〉
〈 あ、もしもし？今へーき？ 〉
〈 うん 〉
〈 何してた？ 〉
〈 テレビ見てた 〉
〈 ほんとだ、聞こえる笑 〉
〈 でしょ笑……慎太郎は？ 〉
〈 んー、Aのこと考えてた 〉
〈 え？ 〉
〈 ……好きだなあって考えてたところだった 〉
〈 もう、恥ずかしいって 〉
〈 今更？ 〉
〈 今更だよ 〉
〈 ねえ、会いたい 〉
〈 うん、私も 〉
素直に伝えてくれる慎太郎がいれば大丈夫だと思い込んで、
必死に忘れようとしてる。何も考えないようにしてる。
慎太郎がいれば私は私でいられるんだって。
それでも脳裏に住み着くあいつを、振り払う。
お願いだから、私を解放して。
付き合ってから３年目でも、倦怠期という倦怠期が来ない。
ずっと幼馴染だったからかな。
お互いのことは何も言わなくてもほとんど分かるから。
その延長線だから、きっと永遠にその時期は来ないだろう。
部屋の明かりを灯して慎太郎が隣に座る。
「Aさあ、そろそろウチ来ない？」
「え、」
「……あ、無理にとは言わないんだけど、」
「ううん、……そうしようかな」
「まじで？！」
「ふふ、なんでそんな驚くの笑」
「え、いやまだ早い！とか言われそうで、」
「もういい歳だよ、私たち」
「そうだね、……やべーめっちゃ嬉しい」
私たちの愛を壊せるものなら壊してみてよ。
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作者名：詠夢
| 作成日時：2021年2月7日 7時
