月光の甘いひと時 【狂い月】

突然の大雨 ページ15

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貴「 みちるー」




満「 …どうした？」




何かを思い詰めてるような顔つきでいる。





貴「 すんごい怖い顔してるけど…なんかあったの？」



満「 …いや、別に」



貴「 ……」




満の口癖。「 いや、別に…」

この言葉を言う時は必ずなにか思い悩んでいることがあるに違いない。





貴「 ねぇ、絶対なんか悩んでるでしょ。」




満「 別に悩んでないよ」




貴「 本当に？」




満「 本当だよ。ただ、頭が痛かっただけ。」




満は、また険しい顔つきで頭を抑えている。




貴「 大丈夫？」




満「 うん…。なんだか、この屋敷見ると頭痛くて」




貴「 それヤバいじゃん。幽霊いるんじゃない？」




満「 いるわけないだろ…、幽霊なんて。」




貴「 そ、そんなことないよ、だって夏の心霊特集で見たもん！」




満「 ……合成だろ」




貴「 …い、いや違うよ！！たぶん。」





確信がないため、声が小さくなる。



でもうちのお婆ちゃんも見たって言ってたし！

夜中に黒い人影？みたいなのが現れて その人影が消えると水の音がジャーって部屋に鳴り響くの。怖いよねぇ←






満「 …クシュっ」




貴「 ちょっと、もしかして風邪？」



満「 いや、少し寒いからかも…。
下見しろって言われたけど よく分からないし、 はやく帰りたい。」



貴「 そうだね、私も風邪引く前に早く帰りたいし」




満「 ……梓に聞いてみるか」




貴「 うん！ 聞いてみよ！」
















────────────────ﾎﾟﾂｯ







──────────ﾎﾟﾂ ﾎﾟﾂ













満「 は？」












────────ザァァァァァアアアアアア











隼人「 でーーー！？ 何？ いきなり！」





進「 くそ、マジかよ！ おい、中入るぞ」





進の呼びかけで、次々と屋敷の中へ入っていく。






響也「 康平！ 何してんの！？」





康平「 …………………」






数秒何かを見つめ、重たい扉の奥へと入って行った。





満「 ……さすがに雨宿りしないとキツいな。」




貴「 満も早く！ぼーっとしてないで入るよ！！」







満の腕を強引に引っ張り、私と満も屋敷の中へと入って行った。

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