ヤンキーと会長は、アニメがお好き:番外編【桃】

番外編:家庭科室作戦3 ページ20

カードを見るに、それは阿部くんからのプレゼント。勉強家な阿部くんらしく、それでいてガッツリ勉強道具でないところがオシャレ。

というか、単なる復帰でわざわざプレゼントをいただけるなんて申し訳ない。阿部くんの大掛かりなサプライズ？




そして放送室へ行けというのは…？






ここには阿部くんがいる気配もないので、仕方なくまた玄関で上履きに履き替え、放送室へ向かう。









するとそこにいたのは。


「宮舘先生！」

宮「久しぶり」

「ご心配をおかけしました」

宮「まあ、佐久間は死んでたよ」


くすくすと先生は笑う。


宮「もう身体は平気？」

「はい！」

宮「それはよかった。じゃあこれをあげる」

「え、先生も！？」

宮「ふふ。じゃああとでね」


宮舘先生からも、また封筒をもらった。






『「情熱・愛情」などを花言葉にもつ花は何色？』






「何この問題！」


きっと他にも該当する花はあるのだろうが、宮舘先生からの問題というところがミソだろう。
少し笑ってしまう。この花は薔薇だろう。そして色といえば。




「まあ、赤だよね」





学校の敷地内で赤といえばどこだろうか。


「1年生の学年カラーが赤なんだよね」


私たち2年生は青だし、3年生は緑、というように、3学年でジャージや上履きの色が決まっているのだ。

1年生の教室が並ぶフロアへ。

階段を上がりきったすぐのところに、ポツンと紙袋。同じようにメッセージカードもある。






『俺たちの姫へ。
復帰を心から喜ばしく思います。無理はせずに。また今日から学校生活楽しんで。
　 宮舘涼太』






中身はワンポイントで薔薇の刺繍が施されたタオルハンカチ。うっすらピンクで可愛い。

宮舘先生らしいメッセージも、クスってしてしまいつつ、顔が綻ぶ。






『1-3へ！』

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