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番外編:ハロウィン12 ページ16

「あ、あの…?」

「…」

「へ、変かな」



もじもじと少し悲しそうに帽子を脱ごうとするから、慌ててその手を握る。
きっと恥ずかしいながらも頑張ってくれたんだ。
 

俺のために。
俺だけの、ために。




「待って!待って!変じゃないよ」

「…急におかしかったかな」

「ううん。違う。ごめん、あんまり可愛いから…衝撃がすごくて」

「…、な、ならよかったんだけど」

「会長ひとり変装しないから。見れないと思ってた」

「一応準備してはいたの…。佐久間くんにだけなら、見せようかなって」

「っ。もう。ほんとずるい」



勝手にひとりで嫉妬して唸ってた俺がばかみたい。
会長はこんなに俺のこと考えてくれてたのに。




「ああ〜」

「ど、どうしたの!?」



彼女がかわいすぎる。反対に彼氏の俺は女々しすぎて。
苦しい。
俺がしゃがみこむと、悲鳴に近い声を上げて会長が俺の顔を覗こうと必死に一緒にしゃがむ。



「佐久間くん?佐久間くん?体調悪い?」



魔女の格好で間近に顔寄せてくるもんだから、耐えられない。



「どうしたの?つらい?」



しなやかな手のひらが俺の額に触れる。ふんわりと会長の匂いが鼻腔をくすぐる。


無意識に手が伸びて、その華奢でやわい体を抱き寄せた。



「わ!」



床に座る俺の、あぐらの中に収まる会長。
少しでも動けば唇どうしが重なってしまいそうな距離で彼女の瞳を覗き込む。




「大人の男はかっこいい?」


「え?」

「あの櫻井って人」


数回パチパチ目を瞬かせたあと、俺の真意を探るように会長の目がくるくると俺を見つめる。そして数刻ののち、合点がいったのか困ったように笑った後。







会長は俺の唇に自身のそれを重ねた。

番外編:ハロウィン13(終)→←番外編:ハロウィン11



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はー(プロフ) - もゆさん» こちらこそありがとうございました!私としても最終的には書きたいなと思っていたので、楽しんでいただけてよかったです。 (2022年10月18日 23時) (レス) id: 32b48b81ff (このIDを非表示/違反報告)
もゆ(プロフ) - リクエストに応えて頂きありがとうございました。最高でした!ヤンキー君のイメージそのもので、沢山キュンキュンさせてもらいました✨何回も読み返したくなる作品に出会えて幸せです(*^^*)新作楽しみにしています☆ (2022年10月16日 21時) (レス) id: 3bc63a7d97 (このIDを非表示/違反報告)
はー(プロフ) - ふみさん» コメントありがとうございます!繰り返し読んでいただいているということで大変光栄です!引き続きよろしくお願いします。 (2022年10月7日 14時) (レス) id: 32b48b81ff (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - お話の世界観が素敵で大好きです。ヤンキーくんのかわいい所と色気が溢れている所のギャップにドキドキして何度も読んでいます。お忙しいとは思いますが応援しています! (2022年10月7日 0時) (レス) id: eafe2700f6 (このIDを非表示/違反報告)
はー(プロフ) - skylineさん» コメントわざわざありがとうございます!鋭意作成中です! (2022年9月27日 18時) (レス) id: 32b48b81ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はー | 作成日時:2022年9月9日 18時

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