御子柴実琴 *馬鹿だなぁ ページ13
「みーこーとー」
「何だよ」
「お出掛けしようよ」
「無理」
「……お買い物行こうよ」
「嫌だ」
「……じゃあ野崎くん家に行って原稿手伝おうよ」
「駄目」
「……あっそ」
実琴が冷たいなんて今に始まったことじゃないけれど、流石に酷いだろ。
わたしの部屋のベランダから入ってきたから、実琴の部屋のベランダにはスリッパが置いてある。そこから吹き込む風で、カーテンがゆらゆら揺れる。
「ねぇ実琴ー、折角遊びに来てあげたんだから相手してよ」
「あ?頼んでねぇよ」
「じゃあ貸してるギャルゲー返して」
「……俺、お前のそういうとこ嫌い」
「嫌いで結構ですー。いいよ、野崎くんに丁度トーンお願いされてたし。千代ちゃんも居るからそっちいくもん」
勝手にしろよ。ゲーム画面から目を逸らさない実琴の背中を軽く蹴ってベランダからベランダへと移る。
「あっかんべーだ。実琴のことみこりんって呼んでやるからなー!」
すぐムキになるわたしに子供か!と突っ込みを入れる実琴にうるせーみこりんと半分やけくそで叫んだ。
(みことー!)
(みこりんって呼ぶんじゃなかったのかよ)
(え、なんのこと?)
(……鳥頭)
(なっ、誰が鳥頭だ!赤毛のみこりんのくせに!このヒロイン!ドジッ子!)
(何だよヒロインって!)
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作者名:ゆずまっちゃ@ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hazuki12308/
作成日時:2015年3月7日 7時