39話 ページ42
時刻は昼。大量買いしたお菓子の包みを手に本丸へと戻った私はへし切長谷部に捕まった。
「昼餉がこれからだというのに!あなたは!なぜそう菓子を大量に買ってくるのですか!」
『……買いたかったから』
「買うにしても限度というものがあるでしょう!!第一あなたはお菓子作りが上手なのですから買わなくたって作れば……」
『ながーーーーい!すいませんでした!はいこの話終わり!以上!解散!みんなー!お菓子買ってきたから食べてーー!』
「主ぃぃぃぃぃ!!!!」
くどくどと長い長谷部の話を打ち切り、昼餉の準備が始まっている大広間に向かって声をかける。
みんなも大量の菓子に驚いていたが、長谷部のように怒ることはせず三時のおやつにでも食べようか、と光忠が厨房に回収していった。
「俺、主が作るお菓子食べたいなー」
清光が人差し指を顎に添え、私の肩にのしかかってくる。
『また今度、万屋に行ったら材料を買ってこようね』
そう言って頭を撫でてやると満足そうにうなずき、絶対作ってね!とお膳の前に座る安定の元に戻っていった。
『(なんだかんだいって仲が良いんだから)』
初期刀としてこの本丸にきた当初、鍛刀する度にそわそわとしていた清光をふと思い出す。
大和守安定が顕現されたときに「あ、そう久しぶり」とあっさりした反応をしたものの、裏庭でこっそり泣いていた清光を見つけたときはもらい泣きをしてしまったなぁ。
改めて大広間にいる刀剣男士たちを見る。
『……随分と、賑やかになったね』
「あーるじ?」
『っ!?』
呟いた声に反応するかのように現れた声に驚いてしまった。こちらの反応を楽しむかのようににこにこと笑うは髭切。
『もう、髭切……』
苦笑いを返しながら、金平糖買ってきたから後で食べようねと言うと笑顔がさらに明るくなった。
「鬼狩りは?」
『ああ、そういえば今日の夜から任務が入るって…….』
言ってたような、と続けようとしたものの来訪者によってそれは遮られる。
来訪者というより……
来訪鴉?
「ホクセイノマチニイッテェェェェ!!ショウジョガキエテイルゥゥゥゥ!!ホクセイノォォォマチィィィィ!!」
なんだなんだとみんなが鴉に注目する。
なるほど、光忠特製昼餉をゆっくり食べてる時間もないようだ。
緋色の瞳で彼らを見据えれば、待ってましたと言わんばかりに次々と立ち上がる。
『みんな、鬼狩りの任務です……準備はいいね?』
ーーさあ、始めよう。
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柊(プロフ) - 江戸城産くむっぷるさん» わああありがとうございます、絶賛心が折れかかっていたので言葉が染みました…!ぜんぜん鬼滅感なくて申し訳ないです、頑張りますね! (2020年1月19日 22時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
江戸城産くむっぷる - (''界''いらなかった…すみませんんんん) (2020年1月19日 17時) (レス) id: 704c3ea7dc (このIDを非表示/違反報告)
江戸城産くむっぷる - 我こそは世界で最も心やさs(( ああああー!!とうらぶと鬼滅のクロスオーバーだああああ!凄く嬉しいです!更新頑張って下さい!!応援してます! (2020年1月19日 16時) (レス) id: 704c3ea7dc (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士Aさん» 続けて失礼します、ご指摘をくださるだけでなく応援の言葉をもくださってとても嬉しいです、歓喜の舞です!本当にありがとうございます、頭爆発させながら頑張りますね!!!!!! (2020年1月17日 19時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士Aさん» えっえっえっまって審神者としてあるまじきな間違いしてんじゃん嘘だろ私審神者辞めようかな!!!全国全世界の審神者の皆様に心よりお詫び申し上げます!!!そしてご指摘本当にありがとうございます!!!細かくて全然いいんです!ありがたいですすみませんでした!! (2020年1月17日 19時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 | 作成日時:2020年1月13日 4時