35話 ページ38
笑うようなところがあっただろうか。
なんです?と首を傾げるとすまないね、と言いながら彼はまだ楽しそうに笑う。
「平門殿の言う通りだ」
『局長の?』
「ああ、彼がきみは柱となるのを断るだろうと言っていてね。その理由が、あなたが言った通り刀剣男士がいたからできたことだからと言うはずだって……ふふ、本当にそうなった」
『…………』
なんだろう、少し恥ずかしい。
局長…余計なことを、と思っていると
「柱となった方が審神者の任務を並行してできると思ったのだけれど…そうだね、ではどうしようか。一番下の癸というわけにもいかないし……」
『いえ、一番下の癸で結構ですよ』
と、慌てて言うが産屋敷殿はいや……と首を振った。
「癸の隊士では審神者の任務を並行するのは難しい。できたとしても、きっと刀剣男士たちに負担が『ではやめましょう』……ふふ」
下の階級では鬼の弱い強い関係なく任務へと赴かなければならないので、審神者として動く時間がなくなってしまうだろうとのことだ。
その分、刀剣男士たちにも負担がかかる。
それはどうしても避けたい。
『……私的には可もなく、不可もなくな立ち位置が良いのですが』
「可もなく、不可もなく……まずまずのところが良いってことかな」
『はい』
あまり高い階級では目立ってしまうのではないか、というのと下っ端すぎると隠しながら審神者がやり辛くなる上に彼らに負担がかかるという懸念があっての考えだった。
「わかった、では丙にしよう」
柱・甲・乙の下だよ、と言われ、いや、もう少し下でも……と断ろうとしたが
「きみへ期待を込めてこの階級にさせてはくれないか」
と、頭を下げられればうなずくしかなかった。
「私は鬼殺隊の隊士のことを私の子供たちだと思っているんだ」
だから、あなたも私に甘えてくれて構わないんだよと微笑まれる。
『……ありがとう、ございます』
今度は私が頭を下げた。
「うん、こちらこそありがとう。さっそく今夜任務を出させてもらうね、連絡は鎹鴉を通して伝えよう。階級は上の方であっても、癸ほどではないがやはり立て続けに任務が入ることがあるのだけれど……大丈夫かな」
本丸に帰ることができない日があるかもしれない、と言いたいのだろうか。
私は再び顔を上げた。
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柊(プロフ) - 江戸城産くむっぷるさん» わああありがとうございます、絶賛心が折れかかっていたので言葉が染みました…!ぜんぜん鬼滅感なくて申し訳ないです、頑張りますね! (2020年1月19日 22時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
江戸城産くむっぷる - (''界''いらなかった…すみませんんんん) (2020年1月19日 17時) (レス) id: 704c3ea7dc (このIDを非表示/違反報告)
江戸城産くむっぷる - 我こそは世界で最も心やさs(( ああああー!!とうらぶと鬼滅のクロスオーバーだああああ!凄く嬉しいです!更新頑張って下さい!!応援してます! (2020年1月19日 16時) (レス) id: 704c3ea7dc (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士Aさん» 続けて失礼します、ご指摘をくださるだけでなく応援の言葉をもくださってとても嬉しいです、歓喜の舞です!本当にありがとうございます、頭爆発させながら頑張りますね!!!!!! (2020年1月17日 19時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士Aさん» えっえっえっまって審神者としてあるまじきな間違いしてんじゃん嘘だろ私審神者辞めようかな!!!全国全世界の審神者の皆様に心よりお詫び申し上げます!!!そしてご指摘本当にありがとうございます!!!細かくて全然いいんです!ありがたいですすみませんでした!! (2020年1月17日 19時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 | 作成日時:2020年1月13日 4時