29話 ページ32
かくして私たちはどんどん山の中を進み、鬼を斬っていったのだった。
鬼を斬る度に見えてしまう彼らが人間だった頃の記憶はやはり苦しいものばかり。
だが、最初の鬼のように瘴気にあてられることはもうなかった。
その苦しみは、鬼となった人たちの苦しみだから。そう考えるとむしろ受け入れてしまえた。
そして。結果を言うと。
『はい、無事に終了しました〜〜〜』
「オツカレェェサン!!」
鬼の討伐数八十余。全滅にかかった時間は約一時間。
私たちは藤襲山の入り口に戻ってきていた。
『鴉さん鴉さん、ちょっと聞くけどこれって早い方?すごい?』
「スゴォォォォクハヤイ!!!ヤルネェェェ!!オヤカタサマモ、ゼッタイヨロコブ!!!ウレシィィィィ!!!!」
『あっやっぱり?すごいねみんな』
そう言って彼らを見ると
ーー……っはぁ、はあ……
疲弊していた。
鬼を斬る際、髭切以外の刀剣男士たちは己が刀に神気を込めなければ完全に鬼を殺すことはできないということがわかった。
そして私は霊力のおかげか普通に刀を振るだけで殺すことができた。
また、髭切曰く屋外なら夜戦であっても鬼が相手ならば充分太刀も大太刀も戦えるのではないかとのことなので編成に組み込もうと思う。
それにしても、神気を使うというのは彼らをかなり疲弊させるようだ。
「つっかれたぁ〜〜〜早く帰りたいお風呂入りたい綺麗にしたい」
「……うる、さいよ……清光」
「つーかーれーたー!」
「俺も……さすがに疲れてます」
「あぁ、俺もだ……」
「あはは、がんばれがんばれ後輩」
ご覧の通り、髭切以外はくたくただ。
『……たぶん、こんなになったのは他の原因もあると思うのだけれど』
そう、今回の試験の内容を思い出してほしい。
私たちは鬼を全滅させることが合格の条件だった。日数は関係ない。
そして鴉は言った。全滅にかかる時間がすごく早い、と。
鬼が私たちを狙って出てくるのを待っていればもっと時間がかかったのだろうが、なにぶん彼らは自ら鬼を探しに行っていたし、鴉の情報よりも先に動いて狩っていた。
『そりゃあ、まあ、疲れるよね』
ちなみに私の討伐数は十に満たない。
理由は簡単。
彼らが全て狩ってしまったからだ。
話は最初の鬼を狩った後に戻る。
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柊(プロフ) - 江戸城産くむっぷるさん» わああありがとうございます、絶賛心が折れかかっていたので言葉が染みました…!ぜんぜん鬼滅感なくて申し訳ないです、頑張りますね! (2020年1月19日 22時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
江戸城産くむっぷる - (''界''いらなかった…すみませんんんん) (2020年1月19日 17時) (レス) id: 704c3ea7dc (このIDを非表示/違反報告)
江戸城産くむっぷる - 我こそは世界で最も心やさs(( ああああー!!とうらぶと鬼滅のクロスオーバーだああああ!凄く嬉しいです!更新頑張って下さい!!応援してます! (2020年1月19日 16時) (レス) id: 704c3ea7dc (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士Aさん» 続けて失礼します、ご指摘をくださるだけでなく応援の言葉をもくださってとても嬉しいです、歓喜の舞です!本当にありがとうございます、頭爆発させながら頑張りますね!!!!!! (2020年1月17日 19時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士Aさん» えっえっえっまって審神者としてあるまじきな間違いしてんじゃん嘘だろ私審神者辞めようかな!!!全国全世界の審神者の皆様に心よりお詫び申し上げます!!!そしてご指摘本当にありがとうございます!!!細かくて全然いいんです!ありがたいですすみませんでした!! (2020年1月17日 19時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 | 作成日時:2020年1月13日 4時