26話 ページ28
『……見当たらないね』
御縁はきょろきょろと辺りを見回す。
藤襲山に入り、15分ほど経過しただろうか。
御縁たちの前に鬼はまだ現れていない。
『(けど……あちらこちらから気配はするかな)』
先ほどからぞわぞわとした感覚が消えない。
これが鬼の気配というものか、と御縁は両腕をさすった。
そんな御縁の様子を見て、髭切が心配そうに大丈夫かと尋ねる。
「主、鬼は時間遡行軍と同じで瘴気を纏っている。もし鬼が人間だった時の過去が見えても深入りしちゃだめだよ?……取り込まれちゃうからね」
そう言う髭切に御縁はふっと笑って心配ご無用、と返した。
『私を誰だと?』
「ふふ……四華仙の一人、秋の名を背負う審神者だろう?」
『そう、刀剣男士に厳しい稽古をつけられて地獄を見た四華仙の審神者だよ……早々にやられてちゃ堪りません』
ーーぞくり
「……主」
「大将」
「あるじさん」
御縁と同様に鬼の存在を大きく感じとった刀剣男士たちは自身の刀をそれぞれ抜き始めた。
『うん、いるね』
霧が出ていて、視界が悪い。
それでも感覚がした方向を睨み続ける。
「来た……また来たァァ……人間だァァ!!」
現れたのは顔に目が四つつき、よだれを垂れ流した異形の生きもの。
『うっはぁ……あれが鬼か……なるほど、見た目的にもなかなか……』
衝撃的な生きものを目の当たりにして、うなずきながら御縁が口を押さえていると髭切が後ろから小突く。
「ほら主、うなずいてないで刀抜いて構えて……来るよ」
『っ……と、あぶな!』
ーーなるほど、正面から真っ直ぐに来るか……よほど周りが見えていないと見た。極度の飢餓状態かな。
鬼の攻撃を後ろに避けながら御縁は冷静に鬼を観察する。
「お前その刀……日輪刀じゃねえな……馬鹿め!!鬼の頸はただの刀じゃ斬れねえんだよぉ!!」
鬼は再び御縁に正面から攻撃していく。
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柊(プロフ) - 江戸城産くむっぷるさん» わああありがとうございます、絶賛心が折れかかっていたので言葉が染みました…!ぜんぜん鬼滅感なくて申し訳ないです、頑張りますね! (2020年1月19日 22時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
江戸城産くむっぷる - (''界''いらなかった…すみませんんんん) (2020年1月19日 17時) (レス) id: 704c3ea7dc (このIDを非表示/違反報告)
江戸城産くむっぷる - 我こそは世界で最も心やさs(( ああああー!!とうらぶと鬼滅のクロスオーバーだああああ!凄く嬉しいです!更新頑張って下さい!!応援してます! (2020年1月19日 16時) (レス) id: 704c3ea7dc (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士Aさん» 続けて失礼します、ご指摘をくださるだけでなく応援の言葉をもくださってとても嬉しいです、歓喜の舞です!本当にありがとうございます、頭爆発させながら頑張りますね!!!!!! (2020年1月17日 19時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士Aさん» えっえっえっまって審神者としてあるまじきな間違いしてんじゃん嘘だろ私審神者辞めようかな!!!全国全世界の審神者の皆様に心よりお詫び申し上げます!!!そしてご指摘本当にありがとうございます!!!細かくて全然いいんです!ありがたいですすみませんでした!! (2020年1月17日 19時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 | 作成日時:2020年1月13日 4時