24話 ページ26
『う……わ、本当に山が藤の花で覆われてる』
藤の花で山肌を覆われた山が見え、遠くからでもあれが藤襲山だとすぐに気がついた。刀剣男士たちからもおお、といった声が上がる。
『……もうすぐで着きますが、みなさん準備はよろしいですか』
そう言いながら後ろを振り返った。
試験のために連れてきた刀剣男士は合計六振り。通常の出陣通りの人数にした。
一振り目、打刀 加州清光
二振り目、打刀 大和守安定
三振り目、脇差 鯰尾藤四郎
四振り目、短刀 薬研藤四郎
五振り目、短刀 乱藤四郎
六振り目、太刀 髭切
本丸にいる刀剣男士ならばその名を呼べば顕現した姿で桜吹雪とともに現れる。
つまり、出陣などをしておらず本丸にいれば私の元へすぐ呼ぶことができるということだ。
今日は連れてきた刀剣男士以外はみな、本丸に待機としているのでもしものことがあればすぐ呼べる。
『鬼は夜に行動するものと聞いたので一応、夜戦を意識した編成にしたのだけれど……ああ、髭切は昔鬼を斬ったことがあるということで』
うん、と髭切はうなずきそれにしても……と続ける。
「鬼狩りたちは日輪刀とかいう面白い刀で斬っているんだよね……というか、それでしか鬼は殺せないのか」
「え!?それじゃあ俺達では斬れないってことになるんじゃないんですか?」
鯰尾が言うのは最もである。
『そこなんだよね、局長は霊力がどうたらこうたらとか言ってたけど』
「どうたらこうたらって……相変わらず局長も適当だな」
薬研の言葉も最もである。
「でもでも、髭切さんは昔斬ったんでしょ?」
「うーん、斬ったと思うんだけどねえ?昔すぎてあんまり覚えてないや」
いや覚えてるでしょうが!!と言いそうになったものの、産屋敷邸での表情を思い出し慌てて飲み込んだ。
せめて……と、髭切にコソッと『嘘つき』と言う。
「……今にわかるさ、鬼のことは」
目を閉じ、ふっと笑ったかと思えば
「さあみんな、敵が鬼だろうがすぱすぱ斬ってしまおう!」
そう高らかに髭切は言った。
275人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柊(プロフ) - 江戸城産くむっぷるさん» わああありがとうございます、絶賛心が折れかかっていたので言葉が染みました…!ぜんぜん鬼滅感なくて申し訳ないです、頑張りますね! (2020年1月19日 22時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
江戸城産くむっぷる - (''界''いらなかった…すみませんんんん) (2020年1月19日 17時) (レス) id: 704c3ea7dc (このIDを非表示/違反報告)
江戸城産くむっぷる - 我こそは世界で最も心やさs(( ああああー!!とうらぶと鬼滅のクロスオーバーだああああ!凄く嬉しいです!更新頑張って下さい!!応援してます! (2020年1月19日 16時) (レス) id: 704c3ea7dc (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士Aさん» 続けて失礼します、ご指摘をくださるだけでなく応援の言葉をもくださってとても嬉しいです、歓喜の舞です!本当にありがとうございます、頭爆発させながら頑張りますね!!!!!! (2020年1月17日 19時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士Aさん» えっえっえっまって審神者としてあるまじきな間違いしてんじゃん嘘だろ私審神者辞めようかな!!!全国全世界の審神者の皆様に心よりお詫び申し上げます!!!そしてご指摘本当にありがとうございます!!!細かくて全然いいんです!ありがたいですすみませんでした!! (2020年1月17日 19時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:柊 | 作成日時:2020年1月13日 4時