【鬼滅の刃 】花柱は…

▽蝶屋敷と花柱 ページ21

あれからまたしばらく経った頃。

蝶屋敷にて療養中の竈門炭治郎くんが、機能回復訓練に入ったと しのぶさんから聞いた。

今日は快晴の休日…
竈門炭治郎くんと話をするいい機会だと、私服に身を包み、蝶屋敷に足を運んだ。


｢お邪魔します…しのぶさん いらっしゃいますか？｣

｢Aさん、お久しぶりです！｣

｢あぁ、アオイさん、お久しぶりです。
…しのぶさんはどちらに？｣

｢用があると出かけられました。
夕方頃にはお戻りになるかと！｣

｢そうですか…では、上がらせていただいても？
今日は竈門炭治郎くんに用がありまして…｣

どうぞこちらに、と言うアオイさんに手土産のカステラを渡す。
ここの御屋敷は女の子ばかりなので、甘くて美味しいものの方が喜ばれるだろうと考えた結果だ。

｢ところで、機能回復訓練は順調ですか？｣

｢そうですね…私は彼らに負かされてしまいましたが、やはりカナヲは難問のようです。
約二名は訓練から逃げ出し、真面目に取り組んでいるのは一人だけですね｣

｢なるほど…では竈門炭治郎くんはどちら側ですか？｣

｢見ていただければ分かります｣

アオイさんが訓練場の扉を開くと、カナヲさんと竈門炭治郎くんが湯呑みを抑え合っていた。

…あぁ、あの苦いお茶かけるやつだ。

バシャッと音が響き、竈門炭治郎くんはびしょ濡れになった。

概ね予想通り…
だけど、真面目に訓練に取り組んでいるのは伝わってきたので、評価したいと思う。


｢こんにちは、竈門炭治郎くん。
良かったら、私ともやってくれないかな？
機能回復訓練(お茶のかけ合い)｣


こちらに顔を向けた彼の目は、目玉焼きの様にまん丸だと思った…そんな休日の話。

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