愛され家政婦の日常〜アノトキ編〜 (ページ10)

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10マシホ(53~55) ページ10

その日の夜、どうしても居ても立ってもおれんくて…Aの部屋のドアをノックした。

Aは俺を部屋に招き入れローテーブルの前に2人で座る。
自分から来たのに…Aがじっとこちらを見るから何から話せばええのか…少し焦る。
ふと目線が逸れて思い切って話を振る。

ms『ヌナの休日……今日どんな一日やった？』

そう聞くとAは今日あったことを話す。

A『大好きなものにどっぷり浸れたとても幸せな一日でした！』

ms『ジフニヒョンが言うてたけど……大好きな人に会いに行くって…』

A『あーwはい♪会いに行きました！』

ms『会えたの？』

A『はい♪会えました。時間を掛けてゆっくり向き合っていたら離れたくなくなって2時間も過ぎちゃいましたw』

2時間…アサヒが仕事に来るの遅かったんはそれが理由か…

ms『アサヒ…でしょ？アサヒに会うたの？』

A『ひーくん？はい♪ひーくんにも…』

『ひーくん？！』そんな…家族か深い仲しか呼ばん様な呼び方…もうするん？

ms『ヌナ、アサヒさんて呼んでなかった？』

A『はい。でもヤダって言うので…じゃあロボットって呼ぶって言ったら拗ねちゃって…ひーくんて呼ぶって言ったらどうやら納得してくれたようですw』

昼間のこと思い出したのか…幸せそうな顔して画集を撫でるA。そんなにアサヒが好きなんや…

ms『アサヒに…買ってもうたん？それ…』

半ばヤケになってそう聞くと自分で買ったって。でもアサヒにもプレゼントを貰ったって嬉しそうに言うから、どんなものか聞くと写真…グルチャで届いた写真を見せてきた。

A『これです♪私の大好きなものがちゃんと写った写真です♡ひーくんはセンスあります♪』

大好きなものが写ったこの写真が『宝物』だと言うAに…もう何も言えなくなってしもうて…ただ床を眺めるしか出来へんかった。

もう…どうしたらええかな、どうしたら…こっち向くんかなって思うてたら、急に大袈裟なほど明るい声でAが言う

A『マシホさんの言葉のおかげです。私の好きなことをしたらいいって、それだけでハッピーだって言ってくれたじゃないですか♪』

えっ…俺、Aの恋応援してしもうてたん？

A『言霊です。本当にそうなりました。
昨日から心の中がちょっと…悲しかったんです。だから、大好きなものに触れたら本当にハッピーになりました』

言霊…。ホンマに自分なにしてん…