愛され家政婦の日常〜アノトキ編〜 (ページ44)

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Aの手を握って少し落ち着くと気づく…目元が腫れてる。

ms『なぁA…。もしかして泣いた？』

A『………はい。』

ms『そっか。何かあったん？イェダミと…すごく仲良さそうやったけど…』

認めたくないけどそう言うと…Aは……イェダミは強くて優しくて…とびきり甘いと言う。
居心地が良くてつい甘えてしまうって…歓迎会の頃にもう分かってた事や。こんなイェダミ出てきたら勝たれへんよ。

ms「そ…なんや。」

A『はい。だけどもう甘えちゃいけないって思いました。もうマシホさんが言うような…にぶちん？ではダメだって思いました。』

ms「何かあったん？」

A『はい。ありましたけど、言えません。さっきは泣いてしまったけれど…もう大丈夫です。』

そうキッパリと言い切って早々に腰を上げるAに待って！って繋いだ手を引く。Aがそのまままた腰掛けて2巡目が回り始めた。

そんな急いで行かんで…もう少し一緒におろう？まだ聞きたいことあんねん。

ms『このあとさ…ハルトんとこ…行くん？』

これも結構堪える…繋ぐ手に少し力がこもる。

A『はい。行きます。マシホさんは逃げたらダメって言いましたね。…逃げずに行こうと思います。』

そう言うAに…もう目線を合わせるのが少し怖い…『ふーーー』っと息を吐いて目線を下げた。

A『マシホさん、今日はもう遅いので今日じゃなくても良いので…明日でも明後日でも…お時間がある時にお話したいことがあります。お時間もらえますか？』

あぁ…来た……

そこで俺…振られるんやな…

ms『今日でええよ…長引くより早い方がええから…。』

本音…どうせ振られるなら長引かせんといて。

メリーゴーランドが止まると『もう行きます』って早足で出口に向かう。

ms『A…』

最後にどうしても何か…足掻いてもええ？
Aに追いつくように急ぎ足で追いかけAの手を引いて強い力で抱きしめた。
そんな俺の背中をAが上から下へと優しく撫でる。
その手が…Aが欲しい…。
俺のもんになってよ…。

ms『めっちゃ好きやって…もう伝えとったっけ…』

A『………』

ms『めっちゃ…好き…』

A『………うん』

Aは『…うん』てだけ言うて離れて行った。

うん…て言うてくれた…それだけで泣いてしまいそうやった…。