愛され家政婦の日常〜アノトキ編〜 (ページ11)

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11マシホ(55,56) ページ11

悲しかった…？
嬉しいことしかなかったと思うてたのに…何がAを悲しませるん。
俺の分からん領域でAの感情を揺さぶる何かがあったんやろな。それが分からへんのも、自分やないのも…悔しいなぁ。

ms『悲しかったって…何かあったん？』

聞きたいわけやなかったけど、悲しかった言うてるのに聞かんのも…そう思うただけ。
Aは俺の方見て、少し言い難そうに視線を下げる。
それから…

A『…………どうして………

…ヌナって……呼ぶんですか…』

え…？なんの話。急になんの話？
よく分からんくて『嫌…やった？』って聞いたら

A『みんなの前では嫌じゃないです。でも…2人でいる時はAって呼ぶって、、、マシホさんが言いました……』

なんや……これ。
悲しませてるの………俺…なん？//

ms『……それが悲しかったん？だから…今も泣きそうなん？俺がAって呼ばんくなったから…』

嘘やろ？俺が…A泣かすほどのことしてたん？
何でやろ…申し訳ないとは思うけど…俺嬉しくなってる…

ms『今も…呼んでほしいん？』

可愛い顔して泣くAの目元に手を伸ばしそっと涙を拭くと…Aは両手で顔を覆って『うん』て頷いた。

……あかん//あかんやろ、こんなん

可愛すぎる…俺のことでこんなに泣くん？

『……A…』

名前を呼んだらもっと泣いた…ハハ…
何なんこの可愛い子。いつまでも俺のことで泣かしときたいなぁ…なんて…俺の悪いところが出そうになるw

ゴメン、ゴメンて背中を擦りながら謝ると俺の肩に頭預けてまた少し泣く。
暫くすると落ち着いたみたいやから、ヌナって呼んだ理由…話そうと思う。

ms『昨日…ジュンギュヒョンがAって呼んでたから、俺は違う呼び方したくなってん…』

そう言うたらAは顔を上げてヒョンをジュンギュって呼ぶ…気にいらん。Aの鼻を強めに抓む。
鼻抓まれたまま痛いって言うのがおもろくて笑ってもうたけど、二人で話して呼び方決めるつもりやったから、決まるまでヌナって呼ぶつもりやった…って伝えるとずるいこと言う。

A『寂しかったです……。急にAって呼ばなくなったから嫌われちゃったと思いました…』

そう言うてまた少し涙ぐむから手を伸ばし頬に触れた。ホンマずるいな…
アサヒが好きやのに…俺に嫌われたくない好かれていたいみたいに『寂しい』やなんて言わんでよ…。