65話 ページ6
リヴァイside
Aと別れてからすぐに、左翼前方に馬を走らせ、次々に巨人の項を削いだ。
しばらくすると撤退命令がでて、すぐさまエルヴィンの居る中央へと近くの班も共に、向かった。
･
･
おかしい……
中央へ着き、班の奴らの安否を確認した後、Aの元へ向かおうとするが、さっきからそのAの姿が見当たらない。
らしくもなく、冷や汗が頬を伝う。
まさか…と最悪の状況を思い浮かべてしまう。
すると＿＿＿
兵士1｢ｯ!おい!!左翼後方の班がきたぞ!!!｣
!!!
左翼後方!!Aが行った場所だ。
＿＿＿＿＿＿が、そこには負傷した兵士5人しか居なかった。
ﾘｳﾞｧｲ｢おい……Aは何処だ。お前らの元へ行かせた筈だぞ。｣
自然と口から出る言葉。
兵士2｢…Aさんは、我々の代わりに巨人と交戦しているはずです。負傷した我々を中央へ向かわせて…｣
ﾘｳﾞｧｲ｢ｯ!その場に居た巨人の数は。｣
兵士2｢５体です。｣
ﾍﾟﾄﾗ｢そんなｯ!｣
兵士の口から出た数に、俺も他の奴らも息を飲む。
ﾊﾝｼﾞ｢ちょっと、Aは新兵だよ!?そんな数を((ﾘｳﾞｧｲ｢今すぐ向かう。｣え!?｣
ハンジの言葉を遮り、馬に乗ろうとする。
ﾊﾝｼﾞ｢リヴァイ!!今向かってどうするつもり!?今回は巨人の数が多かった。早く帰らないと危険なんだよ!!｣
ﾘｳﾞｧｲ｢ｯ!じゃあ、てめぇはアイツを見捨てろって言うのか!?｣
ハンジの言葉にイラッときて、声を荒らげて言い返す。
ﾊﾝｼﾞ｢なｯ!そういう事じゃない!!Aはきっと無事だ!!立体機動の腕はリヴァイだって解っているだろう!?今はAを信じて、私達は一刻も早くｯ!｣
ハンジも負けじと言い返すが、最後は何かを耐えるかの様に口を噤んでしまう。
クソｯ!今コイツに当たっても、どうにもならねぇ事は解ってる。
辛いのは、コイツも班のヤツらも一緒だ。
Aは笑わないし、感情も無いが、どこか人を惹く魅力があった。
ペトラやハンジは妹みてぇに可愛がってたからな。
どうすりゃ良いんだ……
ｴﾙｳﾞｨﾝ｢……リヴァイ。ハンジの言う通りだ。今はAを信じて壁内へ戻ろう。きっと、Aにも撤退の合図は伝わっている筈だ。きっと、合流できる。｣
ﾘｳﾞｧｲ｢……分かった…………｣
ｴﾙﾄﾞ｢兵長!?｣
ﾘｳﾞｧｲ｢アイツを……信じようｯ｣
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作者名：月下誠 | 作成日時：2019年8月21日 19時
