４６魚 ページ31
綺麗に片付いた部屋
端に寄せられた仕事の道具
そこにAはいなかった。
財布と携帯がなくなっているので、コンビニにでも向かったのだろう。
冷蔵庫にビールがないことを思い出し、連絡を入れておく。
すぐに既読にはならなかったけど、液晶に映ったものを見てる可能性もある。
特に気にせず俺は動画の編集を始めた。
「おっせぇな、あいつ」
30分あればどんなにものを迷っても帰ってこれるはずのコンビニから、Aが帰ってこない。
「…電話しとくか」
そう思って掛けてみるも電源が入っていないのか繋がらない。
「何やってんだよあいつ…」
とりあえず、こんな時のマサイ様。
「なんだよ」
「いや、Aそっち行ってる？」
「来てねぇけど…家に居ねぇのか」
「多分コンビニだと思うんだけどもう40分くらい帰ってきてない…と思う」
「思うってなんだよ思うって。行ったとこ見てねぇの？」
「…俺風呂入ってた」
マサイは少しだけ考えるように唸り、俺が気づきもしなかったことを聞いてきた。
「お前仕事のことでなんか言った？」
「どういうことだよ」
俺は使ってねぇもんは片付けろって言っただけだぞ、当たり前のことだろ。
「例えば作業中に散らしてるクレヨン片付けろとか…」
「あー、まじドンピシャで言ったわ。絵の具片せって」
「…それだわ。お前あいつの作業風景見たことある？」
「いや？ないと思う…たぶん」
「あいつな仕事中は自分の手の届く範囲にある程度ものがないと色がわかんなくなるんだと。ケースに入れっぱだと探すの大変だって言ってたぞ」
たしかに、端に寄せられた絵の具たちはケースの中にぶち込まれている。
「これ…途中なのか？」
マサイに怒られながら電話を切り、Aの絵本をパラパラとめくるとそこには8人の後ろ姿が描かれていた。
「俺たちはバラバラの絵の具だったけど、ひとつになることで虹を描いた…」
その虹は悲しんでる人や疲れている人に笑顔を届ける、どこまでも続く長い虹だった。
その一文を俺はたまらず外へ飛び出す。
「なんだよシルク、A帰ってきたか？」
「マサイ！今すぐ全員あそこに集めてくれ！」
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ぐるり。(プロフ) - しみずさん» んわー！しみずさんありがとうございます！無意味なパート2ですが、今後ともよろしくお願い致します(ﾉﾟДﾟ)ﾉ↑↑↑ (2018年1月13日 9時) (
レス) id: d12cac2abb (このIDを非表示/違反報告)
しみず(プロフ) - わわわ、いつの間にパート２…！！続編おめでとうございます、これからもひっそりとファンで居させてください…！！無理のなさらない程度に更新ふぁいとです…！！ (2018年1月13日 3時) (レス) id: 516966c55c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぐるり。 | 作成日時：2018年1月12日 18時
